第20話:マドリードからリスボンへ

文字数 1,638文字

 翌、4月25日はマドリード空港12時出発のリスボン行きで12時半にリスボン到着となり9時半にホテルを出て10時半にリスボン空港のポルトガル国営航空の登場口の近くのカフェで待ち飛行機に乗り込み1時間でリスボンに着いた。空港からタクシーで20分の大きな川の近くのホテルに入り今晩のファド食堂を予約した。

 一休みして、歩いて大きなテージョ川河畔の食堂に入り昼食をとるとタコや魚のフライがメニューにあって食べてみると、なかなかの味だった。食後、テージョ川の河畔をゆっくりと散歩してホテルに帰ってきて、今晩のファド観劇のために仮眠をとった。ファドは、21時からだったので、18時半にホテルで軽食をとった。

 その後、20時半にタクシーが来てファド食堂に予約番号を言うと4人の席に案内してくれた。そして男性ギタリスト2人と女性がマイクを持ち、独特な哀愁を帯びた表情をして静かにファドを歌い出し、少しずつ声が大きくなり、さらに、叫ぶような感じで歌い、徐々に声が小さく、波が引くように歌が終わった。

 その間30分以上だったが、その時間を感じさせないようにファドに引き込まれた。15分くらい休憩がありワインを追加したりしていた。その後の2ステージ目には男性のボータリストとギタリストで再びファドが始まり、最初は辛そうな表情、これは庶民の仕事のつらさをあらわしてると後で知らされた。

 辛そうな表情から何か怒っていると言うか高揚している表情に変わり歌声が大きくなりある所で怒鳴るような声で最高潮に達し、再び、声が小さくなり語りかけるような口調で哀愁を帯びた口調でささやくようになり、やがて歌が終わった。なかなか面白いねと両親が言うので最後まで聞くことにしてた。

 3ステージ目は若くてくっきりとした顔の美人さん細身ながらスタイルの良い、お嬢さんが出て来て大きな拍手が巻き起こり花束が送られたりして悲しそうなギターの調べから、ささやくように彼女が歌い始め、その悩ましそうな、セクシーな表情に特に男性達が釘付けになり、多くの視線を集めた。

 そして少しずつ声が大きくなり、訴えるような、怒ったような表情になり、これがまた、セクシーで、視線が釘付けとなり、じらすような仕草と、セクシーな表情変化が相まって観客のハートを奪ってしまった。それからは彼女の独壇場で一気に最高潮まで持っていき、少しずつトーンが落ち、また悲しそーな悩ましい表情になり、一気に同情を買った。

 最後は、ささやくようにして、歌を終えると大歓声が巻き起こり花束を手渡す男性が数人現れ列をなして彼女のファドを賞賛した。やはり、彼女がとりを務めるこの店トップの売れ子、女性ファド歌手だった。これには勇三たち、4人のグループも拍手喝采でスタンディンオーベションの輪に入った。その後、勇三がクレジットカードで精算書にサインした。

 その後、店の前に来ていたタクシーに乗って、ホテルに帰った。ホテルに着くと1時近く出会ったが興奮が収まらず、以前、買ってきたポートワインを飲んで、ファドの話、特に最後の女性歌手の表情と踊りのセクシーさには驚いたと感想を話して床についた。翌10時に起き、ホテルで軽食をとりリスボンの名所、テージョ川の河口にあるベレンの塔へ向かった。

 それはジェロニモス修道院と同じマヌエル様式で建てられた石造りの塔で白い外観は高貴な感じ。かつてはテージョ川を監視、リスボン港を守る要塞として利用された。その後、発見のモニュメントに移動。それはテージョ川に立つ高さ52mの巨大なモニュメント。1960年にエンリケ航海王子の500回忌を記念して作られた。

 帆船をイメージし、海へ出航する勇ましさを表現しており、モニュメントの先端にはエンリケ航海王子、宣教師、天文学者など第一線で活躍した32人のレリーフがある。3階のテラスからは向こう岸にある巨大なキリスト像やクリスト・レイを見ることができ、大航海時代を代表する建物として世界遺産になっている。
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