おわりに

文字数 912文字

 ここに本作『贖罪の屍者』は、何とか完結を迎えることができました。
 本作をお読み下さった皆さまに、深く御礼申し上げます。ありがとうございます。
 作者的にはやり切った、伏線も回収しきって風呂敷もきちんと畳んだつもりなのですが、果たして、読者の皆さまもご納得のできになっているのかどうか、不安は払拭できない御陵……。
 こんな長いお話にお付き合い下さいました皆さまに、改めて御礼申し上げます。
 ありがとうございます。

 元々本作は、他サイト「エブリスタ」さまに連載していたもので、現在もエブリスタさまに掲載れております。基本的に両者は同一ですが、表現や表記、それに章立てが少し違います。
  
 さて本作は、複数の話と関連性を持つことになりました。
 いずれも”白銀時代”というフレームの中で書いてきた、ハイ・ファンタジー長編です。
 
○マルーグ峠の惨劇を画策した計画参謀、ベロッソ=ルッカヌス=マノの
 最期については……
『ミルメクの城』
(エブリスタさま掲載中:完結済み)

○主人公に贖罪の旅を科した(自称)女屍師パペッタの末路に
 ついては……
『プリモの探しもの ――虹の水晶を求めて――』
(エブリスタさま掲載中:完結済み)

○ユディートの先祖”死の太母”の神話については……
『死の太母(マーテル・マカブレス)の物語』
(ノベルデイズ掲載中:完結済み)

 ご興味があれば、それぞれご参照頂けたら嬉しいです。
 また、上記のものそれ以外のものも、いずれこちらに併載する予定です。

 ……それで、最後に一つだけ、告白を。

 本作『贖罪の屍者』は、二〇二〇年二月二十五日結果発表のエブリスタさま主催「次に読みたいファンタジーコンテスト ゴースト/ゾンビ/魔女」にて大賞を頂いた作品です。
 本作が大賞に値する出来になっているのかどうか、皆さまの眼鏡に適った話になっているのかどうか、ご判断頂けたらと思います。

 本作はここで終わりとなりますが、また他のお話で皆さまとお会いできたら幸甚です。
 その時には、またよろしくお願い致します。
 今回は本当にありがとうございました。

  御陵 拝 

 
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登場人物紹介

「俺」


”女屍霊術師《ネクロロジスト》”パペッタに魂を抉り抜かれ、他人の腐乱死体に押し込められ、動く死体の”屍者《エシッタ》”にされた男。

ほぼ全ての記憶を封印《ロック》されており、自分が何者なのか、どうして屍者にされたのか、分からないままに贖罪の旅へと送り出される。

女屍霊術師《ネクロロジスト》パペッタ


「俺」を動く死体の”屍者《エシッタ》”に仕立て上げ、”贖罪の旅”を強要する謎の女。

アリオストポリにあるという久遠庵《カーサ・アンフィニ》という店の主人でもある。

何故「俺」に贖罪を科したのか、その狙いは何なのか、「俺」に心当たりはない。

マイスタ


地方都市ルディアの歓楽街、通称”花街”に住む、気のいい老人。

人懐っこく誰にでも親切な老人で、誰からも頼られる存在。

歩く死体の「俺」に対しても親身に世話を焼く。

ただし、「俺」が”屍者(エシッタ)”だとは気付いていない模様。

ユディート=ユーデット=サイラ(Illus.紅音こと乃さま)


”死の女神モリオール”の小神格”死の太母(マーテル・マカブレス)”に仕える聖騎士の少女。

身分は”ユーデット聖廟騎士団筆頭従士(プライメット・エスクワイヤ)”。

見た目は十六、七の少女だが、人間ではなく”樹精人(アルボリ・アールヴ)”のため、実際の年齢は不明。

小神である”死の太母”の直系の子孫。武芸も祭文(魔術)の腕も、これ以上ないほどに確か。

捉えどころなく映りつつも、時には年頃の少女らしい一面も覗く。

武器は、背中に背負った弓ノコギリ”神鋸:年代記(クロニクル)”。死の太母から代々受け継がれている。

リベカ=ヴィラフランカ=ハーネマン


ルディアの花街に診療室を構える女医。

表と裏から娼婦たちの健康を守る、花街に欠かせない人物の一人。

赤い髪を清潔に結い上げ、しっとりと落ち着いた、眼鏡の美女。

ユディートとは姉妹のように仲がいい。

実は既婚者だが……。

エステル=マイリンク


マイスタが花街に所有する施設”別館 白鷺庵《アネクサム カーサ・アルデア》”に身を寄せる少女。

身分的には娼婦として、白鷺庵の中に個室を持つ。

不幸な経緯から娼婦となったが、実質マイスタの庇護下にあり、彼女の客はごくごく限られる。

ある不自由を抱える薄幸の少女でもあるが……。

ホセア=アンフォラ


ケルヌンノス地方の最大商家、アンフォラ商会の現在の会頭。

かつてはマイリンク商会の傘下にあったが、その没落とともに、屋台骨を乗っ取った。

小心で傲慢。エステルにご執心だが、マイスタが彼女には頑として会わせない。

ユディートを内心ひどく恐れている。

カイファ=ミザール


ケルヌンノス地方の有力な商家、ミザール商会の幹部。

まだ年若いが才覚を認められ、幾つかの商流(流通ルート)の采配を任されている。

ミザール商会もかつてはマイリンク商会の傘下にあった。

しかしその没落後も、マイリンク商会の姿勢を受け継ぐ、気骨のある豪商として知られる。

エステルとは恋仲にあり、マイスタが認めた「客」として、「娼婦」のエステルと逢瀬を重ねる。

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