番外編(2) 悠の休日 ~ショッピングモール編~

文字数 2,924文字

悠たちは水族館を後にしてショッピングモールの中にある食べ放題の店へと向かっていた。

 夜行:
 「にしても、流石に週末は人が多いわね。」

 悠:
 「そうだな。姫香、姫乃、業迷子になるなよ。」

 業魔:
 「うん、わかった。」

目的の食べ放題の店に到着し席に着いた。

 業魔:
 「なぁ悠、何でも食べていいのか?」

業魔が目をキラキラさせながら聞いてきた。

 悠:
 「いいよ、その代わりちゃんと食べきれよ。」

 業魔:
 「うん。姫香たち行こ。」

業魔は姫香と姫乃の手を引いて行ってしまった。

 悠:
 「行っちゃった。ごめん桜、業たちについていてくれないか。」

 桜:
 「えぇ、わかった。」

 夜行:
 「ねぇ、あるじ君私の行っていい?」

夜行がお皿を持ってスタンバイしていた。

 悠:
 「いいよ、スイーツは向こうにあったよ。」

 夜行:
 「ありがとう。」

夜行は一目散にスイーツの方へ向かっていった。

 悠:
 「彼岸は行かないの?」

 彼岸:
 「今はあまりお腹すいてなくて。」

彼岸は悠の隣から動こうとしない。

 彼岸:
 「ねぇ旦那様、桜に大事なパートナーって言ったのは本当?」

 悠:
 「?本当だぞ。」

 彼岸:
 「桜が一番?」

 悠:
 「みんな一番に決まってるだろう。お前たちのおかげで切り抜けた戦いなんて数えきれないからな。お前たちが俺なんていらないって言わない限りは一緒にいるよ。心配すんな。」

悠は彼岸の頭を撫でた。彼岸の顔も心なしか明るくなったところで

 夜行:
 「ちょっと、何いちゃついているのよ。」

料理を取りに行っていた夜行たちが戻ってきた。持ってきたお皿の上には大量の料理とスイーツが乗っていた。

 悠:
 「本当によく食べるな。見てて気持ちがいいよ。」

 夜行:
 「えへへ、あるじ君に褒められちゃった。」

夜行が照れながら言った。

 悠:
 「俺たちも何か取りに行こうか彼岸。」

 彼岸:
 「うん。」

悠たちは時間いっぱい食べ放題を楽しみ、店を後にした。

 業魔:
 「もうお腹いっぱい。」

 悠:
 「業、いっぱい食べたものな。」

 夜行:
 「次はどうする?」

 悠:
 「ショッピングモールにいるからショッピングしようか。映画は夜でいいだろ。」

 桜:
 「賛成。ご主人私、服が見たい。」

 夜行:
 「私も。」

 悠:
 「じゃあ服見に行こうか。」

その後3時間ほどショッピングが続いた。悠と業魔は服屋の前のベンチ座っていた。

 業魔:
 「なぁ悠、疲れた。桜たちいつまで買い物続けるんだよ。」

 悠:
 「桜たちも久しぶりの買い物なんだ。付き合ってくれ。」

 業魔:
 「もう。トイレ行ってくる。」

 悠:
 「気を付けていって来いよ。」

悠がスマホで魔物情報をチェックしていると店から桜が出てきた。

 桜:
 「ご主人ちょっと来て。」

 悠:
 「?どうした。」

 桜:
 「いいからいいから。」

桜は服を一式持ってきて

 桜:
 「これ着てみて。」

 悠:
 「?着ればいいのか?」

 桜:
「うん。」

悠は言われるがまま試着室で渡された服を試着した。

 悠:
 「これでいいか?」

 桜:
 「ほらやっぱり、ご主人はシンプルな服が似合うよ。」

 夜行:
 「あるじ君次はこっち着てみて。」

次は夜行が渡した服を試着した。

 夜行:
 「うん、あるじ君はストリート系の服が似合うね。」

 彼岸:
 「旦那様次これを。」

最後に彼岸が渡してきた服を試着した。

 彼岸:
 「やっぱり、きれい目に決めた服が一番よね。」

 悠:
 「お前たち自分の服を買いに来たんじゃないのか?」

 桜:
 「?私たちの服はもう買ったよ。」

 夜行:
 「今はあるじ君の服を探してる。あるじ君仕事着ばっかりで自分の服あまり持ってないでしょ。」

確かに、悠は仕事ばかりしてきたため、仕事で着る着物ばかりで遊ぶ時ようの服は持っていない。今日の服も急遽団員に借りたものだ。

 夜行:
 「で、あるじ君。どの服がいい?」

 悠:
 「え?」

 桜:
 「だから私たちが選んだ服で一番どの服が好き?選んだ服を買ってあげる。」

 悠:
 「うーんそうだな。姫香、姫乃どの服がよかった?」

姫香と姫乃は悩んだ末

 姫香:
 「パパはどの服もかっこいいよ。ねっ姫乃。」

 姫乃:
 「姫乃もそう思う。どんなパパ様でもかっこいいよ。」

 悠:
 「ありがとう。じゃあ全部買うよ。お前たちが真剣に選んでくれた服だしな。」

そういって、悠は桜たちが選んだ服を全て購入した。

 夜行:
 「いいの?あるじ君。お金結構かかったけど。」

 悠:
 「いいよ、仕事ばっかりでお金ばっかりたまって全然使ってなかったから。こんな時に使わないと。」

 悠:
 「ごめん待たせたな業。」

 業魔:
 「悠、遅いよ。」

 悠:
 「ごめん、じゃあいい時間だし映画見に行こうか。」

悠たちはショッピングモールの中にある映画館へと向かった。

 悠:
 「さてと、お前らどの映画見たいんだ?」

意外にも、全員同じ海外のアクション映画を指定した。

 悠:
 「みんな同じでいいのか?こっちとしてもありがたいけど。」

 彼岸:
 「この映画の前作みんなで見てて新作みたいよねって話してたんだ。」

彼岸がうれしそうに話した。

 悠:
 「そうか、一番早い上映は30分後かこれでいいか?」

全員が頷いた。

 悠:
 「わかった、チケット買ってくるからポップコーンとか欲しかったら買って来い。」

 業魔:
 「わーい、俺塩がいい。」

 姫香:
 「姫香はキャラメル。」

 姫乃:
 「姫乃も。」

 悠:
 「夜行ついて行って買いに行ってくれ。」

 夜行:
 「わかった。」

夜行たちはポップコーンを買いに行き、悠たちはチケットを買いに行った。

 悠:
 「ちょい後ろで横並びでいいか。」

 桜:
 「そうね、この時間は空いてるし、それでよさそうね。」

チケットを購入し、夜行たちと合流した。

 悠:
 「業たちはトイレ大丈夫か?」

 業魔:
 「うんさっき行ってきたから。」

 悠:
 「そうかわかった。」

 夜行:
 「はい、あるじ君コーヒーね。」

 悠:
 「ありがとう。」

上映時間となり悠たちは上映会場へと向かい席に着いた。

 業魔:
 「楽しみだな。」

業魔がそわそわしていた。

 悠:
 「もう始まるから落ち着け。」

 彼岸:
 「あっ始まった。」

電気が消え、映画が始まった。

映画が終わり、映画館を出るとみんなテンションが上がっていた。

 桜:
 「面白かったわね。」

 彼岸:
 「えぇ、また続編出るみたいだし楽しみ。」

 悠:
 「お前ら帰るぞ、明日もあるんだから。」

 全員:
 「はーい。」

基地へと変える道中、業たち子供組は疲れて寝てしまった。

 桜:
 「疲れたのね。」

 悠:
 「1日中遊んだんだ。無理もないさ。お前らもゆっくり休めよ。」

 彼岸:
 「はい。」

悠は人目が付かないところで桜たちを指輪に戻し、基地に帰っていった。

 悠:
 「ただいま。」

 彩音:
 「おかえりなさい、楽しめましたか。」

すっかり日も落ち、時計の針も20時を回っていた。基地に帰ると彩音が出迎えてくれた。

 悠:
 「あぁ、楽しかったよ。今日は大丈夫だったか?」

 彩音:
 「はい、市民、団員ともに死傷者ゼロです。町に被害もありませんでした。」

 悠:
 「ありがとう。明日も頼めるか?」

 彩音:
 「はい、お任せください。」

悠はシャワーを浴びた後自室に戻り、眠りについた。
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