第8話 一九四五年四月二六日(ベルリン)

文字数 6,051文字

 ペーターの話は唐突に遮られた。
「来ました、ロシア軍です!」
 前方の監視拠点から駆けて来た伝令が、息急き切って告げる。
「敵は歩兵およそ数百、それに戦車が十かそれ以上!」
 ペーターは飛び上がるように立ち上がった。部下の間を駆け回り、矢継ぎ早に指示を出して行く。
「ディックマン、戦車を潰すぞ。パンツァーファウストを持ってついて来いっ。シュプリューゲ、君はここを頼む。戦車について来る歩兵を熱く歓迎してやれ!」
 髭面でがっちりとした体のディックマンSS少尉と、細面ですらりとしたフォン・シュプリューゲSS中尉。ペーターの部下で今日まで生き残っている将校はこの二人だけだ。
 ペーターは《ルックス》に這い上がると、砲塔のハッチを拳で叩いた。
「アーヘルン!」
 顔を出した戦車長に、歯切れの良い早口で言う。
「お前は下がってSS中尉を援護しろ。こいつじゃイワンの戦車に歯が立たん、無茶をして喰われるなよ!」
 ペーターは戦車長の返事も待たずに《ルックス》から飛び降り、今度は装甲兵員輸送車の横腹を叩いて回った。
「お前らは、命令があるまで後方で待機!」
 そして最後に史生とケーテの所に駆け戻り、二人を引きずるようにして最後尾の装甲兵員輸送車に押し込んだ。中には、部隊の負傷兵達が乗せられている。
「君達は中で頭を下げていろ、けりがつくまで絶対に出るんじゃないぞ!」
 それぞれ配置につき、息を殺してその時を待つ。やがて地鳴りにも似た、エンジンとキャタピラの音が響いて来た。
 角のビルの五階の窓から、兵士が身を乗り出して叫んだ。
「奴らが来ました、距離あと二百!」
 史生はそっと頭を上げ、車の装甲板の縁から目だけを出した。
 通りの遥か向こうに、ロシア軍の主力中戦車T34の姿が見えた。しかしペーター達の姿はどこにも見えない。
 T34の後ろにへばり付いて進んで来るロシア兵達の姿が史生の目にも見えかけた時、裏路地から、建物の窓から、屋根の上から、幾多の機関銃やアサルトライフルが一斉に火を吹いた。シュプリューゲSS中尉とその部下達だ。
 史生は唾を飲み込み、ライカのファインダーに目を押し当てた。
 ロシア兵はばたばたと倒れる。が、戦車は銃弾などものともせず、主砲と機関銃を撃ちまくりながらシュプリューゲの部下に向かって来た。史生は一台のT34が砲身をぐいと持ち上げ、窓から機関銃を撃っていたシュプリューゲの部下をバルコニーごと吹き飛ばすのを見た。
 不意に背をつつかれて振り返ると、腹に包帯を巻いた負傷兵が自分のヘルメットを差し出していた。
「記者さんよ、死にたくなければこいつを被りな」
 迷彩模様の布カバーで包まれたそのヘルメットは、革と汗の臭いがした。
 それを被って再び戦場にカメラを向けた史生の脇に、誰かが寄り添うように並んだ。
 ほのかな甘い香りが漂い、金色の柔らかな髪が史生の頬をくすぐる。ケーテだ。
「やれやれ、嬢ちゃんもかよ」
 冷やかすような呆れたような負傷兵達の笑い声と一緒に、ヘルメットがもう一つ回って来た。
 史生の目には、戦況は極めて悪いように見えた。ペーターの部下の機銃は一つまた一つと沈黙して行き、T34の群れはシュプリューゲの部隊を蹂躙しかけている。
 唐突に、ロシア軍の戦車隊から炎が上がった。車列の先頭と最後尾、両方のT34が爆発してつんのめるように止まった。
 夢中でライカのシャッターを押す史生の脇で、ケーテが誰ともなしに呟いた。
「……パンツァーファウストね」
 ロシア軍と戦いながら後退するミュンヘベルク師団と行動を共にしてきたケーテは、同じような場面を幾度となく見ていた。
 大戦末期、圧倒的な物量で押す連合軍に、ドイツ軍は使い捨ての対戦車ロケット砲を前線に大量に配備して応じた。パンツァーファウストと呼ばれるそれは、アメリカ軍のバズーカ砲より遥かに小さく扱いやすい上に、連合軍のいかなる戦車も一撃で破壊する事が出来た。
 三両、そして四両と、ロシア軍の戦車は次々にパンツァーファウストの餌食になっていった。しかも列の最も前と後ろの戦車が最初に潰され擱座させられている為、他の戦車は間に挟まれ動きが取れず逃げられない。
 ペーターと部下達はパンツァーファウストを抱えてそのT34に忍び寄り、一両、また一両と仕留めて行った。その戦車を守るべきロシア軍の歩兵は、シュプリューゲの部隊の機銃に撃ち倒される。
 T34は次々に炎上し、乗員たちは銃弾の雨の中を駆けて逃げた。
 戦闘の後、通りには燃え続けるロシア軍の戦車が列をなして残った。

 師団の作戦参謀が浴びせる罵詈雑言の嵐に、メレホフ少佐とスミルノフ大尉は顔を紅潮させて耐えていた。
「何をやっているのかね、君らはっ。兵卒に落とされて懲罰大隊に送られたいのか!」
 この師団の参謀どのも、おそらく同じように軍団の司令官にこっぴどく叱り飛ばされたのだろう。そして軍団の参謀と司令官もまた、方面軍司令官とその参謀に……。
 上層部が、ベルリン攻略をなぜ躍起になり急がせているのか。その真の理由を、スミルノフは察していた。戦勝の日をメーデーに間に合わせたい。ただそれだけではなかった。
 ベルリン占領の栄冠が、ロシア軍の二人の元帥の間で争われていた。スターリンが指示した作戦では、ジューコフ元帥の第一白ロシア方面軍が北から、そしてコーニェフ元帥の第一ウクライナ方面軍が南からベルリンを目指して進撃する事になっている。
 スターリンは二人の元帥にこう言い渡した。
「君らのどちらでも、早く着いた方がベルリンを取れ」
 ロシア軍の誇る名将と言えばジューコフとコーニェフだが、この二人はどうにも肌が合わない。ジューコフは兵卒から叩き上げた根っからの職業軍人で、コーニェフは党から軍に派遣された軍事委員上がりの司令官だ。また、ジューコフは賢いが振る舞いは粗野で、コーニェフは読書好きのインテリだ。
 スターリンはだからこそ、この二人にベルリン攻略を競わせた。ジューコフもコーニェフも相手には負けるまいと兵らの尻を叩き、死にもの狂いで猛進撃するだろう……と。
 そしてロシア軍のベルリン攻略戦は、スターリンの思惑通りに進んでいた。
 それを知るからこそ、スミルノフはひどく苦い思いを噛みしめていた。政治的な思惑や、軍司令官同士の手柄争いの為に、どれだけの兵士が無駄に死に急がさせられていることか。
 師団の参謀は、なおも怒鳴り続けている。
「すぐまた攻撃しろ、ファシストの奴らを休ませるな!」
 同志参謀!
 声をかけながら、スミルノフは一歩前に出た。
「見て下さい、あれを」
 メレホフ大隊はノイケルンの缶詰工場に陣取っていたが、工場の機械や積み上げた木箱にもたれかかり、あるいは冷たいコンクリートの床に寝転がっている兵達の姿が、スミルノフら将校達が集まっている部屋の窓からも見えた。多くの兵が血に染まる包帯を体に巻きつけ、そうでない者も立ち上がる気力も無いほど疲れ切っていた。
「あれ以外にも、戦場には百を越す我が大隊の兵の死体が残されています。我が大隊の兵士の勇気と犠牲を、貴方は侮辱なさるのですか!」
 言い過ぎだ。自分でもわかっていたが、スミルノフは腹から溢れ出て来る言葉を止められなかった。
「我が大隊の勇敢な赤軍兵士が命懸けで戦っていた時、同志参謀、貴方はどこにいらっしゃいましたか!」
 師団の作戦参謀キッチェンコ中佐は、黙ってスミルノフをただ睨みつけた。
 弾の飛んで来ない後方にケツを据えて、好き勝手な命令ばかり出してきやがるクソッタレ。自分達に向けられている悪評は、キッチェンコも知っている。
 師団長に報告して、この若造を処罰してくれようか。キッチェンコはそのつもりになりかけたが、すぐに思い直した。ただの大尉ならともかく、こいつは政治将校だ。党のお偉方にどんなコネを持っているかわからない。
 そうだ、確かスミルノフの叔父も党の幹部だった筈だ。ここで下手な真似をしたら、薮蛇というやつになりかねない。
 ややあって、キッチェンコ中佐は背の高い小生意気な政治将校の大尉を下からねめつけ、唸るように言った。
「それだけ大きな口を叩くなら、君も赤軍兵士の先頭に立って戦ったのだろうな?」
「無論です!」
 スミルノフは胸を張った。彼の右の頬には、手榴弾の破片が残した新しい傷があった。
「よろしい、一晩だけ待とう。明日だ。明日中に必ず突破して、ベルリン中心部へ道を開け。夜が明けるまで待つな。次の攻撃開始時間は、〇五〇〇時だ」
 約束だからな、若造め、明日は必ず攻撃の先頭に立て。そして死んでしまえ。
 キッチェンコ中佐はドアを重いブーツで蹴飛ばして出て行った。
 その背中を見ながら、メレホフ少佐は胸がすっとした。いつも威張りくさっている嫌な野郎がへこまされるのを見て、思わずにやりとしたくなる。しかもこの件で火の粉を被るはめになる者は、自分ではなくスミルノフだ。
 そのスミルノフは、己の損得など殆ど気にかけていなかった。彼の頭の中を占めていたのは、ただ次の攻撃の事だけだ。
 野戦ならともかく、市街戦では戦車は不利だ。パンツァーファウストや火炎瓶の格好の餌食にされてしまう。その事は、先程の戦いでも実証されている。
 だとすれば、行く手を塞ぐファシスト兵どもは、やはり歩兵で排除するしかないだろう。
 次の攻撃は、明日の早朝にまた始まる。そしてそれは手榴弾と銃剣で家を一軒ずつ奪い合う、厳しい白兵戦になるだろう。
 明日また、どれだけの兵が死ぬ事になるか。
 スミルノフは暗澹たる思いだった。

 敵を撃退した後も、やらねばならぬ事はいろいろあった。負傷兵を助け、戦死者はポンチョで包んで一カ所に集める。武器の手入れや弾薬の補充も、無論しなければならない。死んだロシア兵から武器と弾薬を回収するのも、包囲され補給を断たれたこの街のドイツ軍にとっては重要な仕事だ。
 ケーテが負傷兵の手当てに追われている一方、ペーターは部下の将校や下士官らを集めて今後のことを話し合っていた。
 史生は兵士らを手伝って戦死者を運び、武器や弾薬を運んだ。その作業をしながら近くの兵士達に話しかけて、SSの制服を着たペーターの部下に言葉がよく通じない兵が少なからずいる事に気付いた。
 問題は史生のドイツ語にあるのではない、相手のドイツ語の理解が拙いのだ。
「記者さん、駄目だよ、そいつはロシア人だ」
 袖に伍長勤務上等兵のマークを付けた古参兵が、にやりとしてそう言った。
「イワンもみんなアカだってわけじゃねえし、スターリンを嫌いなロシア人も少なくねえのさ」
 特にウクライナとバルト三国では、スターリンと共産党は酷い弾圧と収奪をして人々に恨まれていた。その為、ドイツとロシアの戦争が始まると、少なからぬロシア人がドイツ軍に身を投じた。
 彼らにとって敵とはスターリンと共産党であり、ドイツ軍は解放軍だった。
 クナウアーというその古参の伍長勤務上等兵は、ドイツ軍やSSに多くのウクライナ人やバルト出身者が加わっている事情を説明した後で、溜め息まじりに呟いた。
「奴らも哀れなもんさ。イワンどもにしてみれば、バルトやウクライナの連中は裏切り者だからな。奴らは俺達ドイツ人より憎まれてる。降伏なんかしてみろ、たちまち殺されるんだ。勝ち目がまるで無くても白旗を上げないのは、そのせいなのさ。殺されるとわかっていて降伏する馬鹿が、どこにいるかよ」
 このベルリンで、ドイツの為に、同じロシア人と戦って死んで行くしかないロシア人達。擦り切れたSSの軍服を着た彼らの絶望が、史生にもじわりと伝わって来る。
 持っていた煙草を箱ごと出し、史生はウクライナ兵の頭株らしい男に差し出した。そのウクライナ兵は下手くそなドイツ語で礼を言って一本だけ抜き取ると、煙草の箱をウクライナ人の戦友達に回した。
 そのSSの制服を着たロシア人達に、史生はライカを向けた。せめてこのフィルムの上だけでも、彼らがこの世に存在した証しを残しておきたかった。

 日が落ちて間もなく、ペーターの部隊に食料が配られた。ハム、ソーセージ、缶詰、ジャム。配給で規制され、ここ何カ月も口にしていなかった物まで含め、食べ物は驚くほど豊富にあった。ワインも配られ、本物の豆を使ったコーヒーまで沸かされていた。
「ゲンダルメンマルクトに食料貯蔵庫があってな、そこから分けて貰って来たのさ」
 そう説明したのはクナウアーだが、前線の兵士達は奪って来たのだとは決して言わない。
「そのまま残しといて、イワンどもにくれてやることはねえさ。遠慮するこたぁない、記者さん、あんたも今のうちに食えるだけ食っときな」
 その言葉に甘え、史生はハーブ入りのソーセージと缶詰、それに瓶詰の果物を選び出してケーテのところに持って行った。
 負傷兵の手当を終えて一息ついていたケーテは、それを見て目を丸くする。
「わ、すごい御馳走……」
 日は沈んだが、ビルや家が各所で燃え続けているから、街がすっかり闇に包まれてしまうことはない。
 近くのアパートの玄関の石段に並んで座り、二人で食事を始めた。二人にとってこれは、十二時間ぶりの食事だった。
 緊張の連続で、今まで空腹などまるで感じなかった。しかし一度何か口に入れると食欲が猛烈に蘇り、歯止めが効かなくなった。史生もケーテもソーセージを頬張り、缶詰や瓶詰を次々に開けてゆく。
 食料を大方平らげ、人心地がつくとケーテは急に気恥ずかしくなったようだ。
「みっともないとこ見せちゃった」
 言いながら、ケーテは頬を赤らめ舌の先を出す。
「けど、ありがとう。とってもおいしかった」
 あちこちから寝息や軽い鼾が聞こえてくる。誰もが疲れているのだ。
 腹が一杯になれば自然に瞼が下がって来る。休める時間が少しでもあれば、いつでもどこでも眠れるようでなければ前線の兵士は務まらない。
 しかし史生は兵士ではなく、戦場に出たのも今日が初めてだ。ひどく疲れてはいるのだが、神経が昂ぶり少しも眠くならない。そこに、ペーターがワインの瓶をぶら下げてやって来た。
「こいつでも飲んで、寝られるうちに寝ておけ」
 言いながらペーターは、軍用の水筒の灰緑色に塗られたアルミのコップにワインを注ぐ。
 モーゼルワインだった。高価な年代ものではないし、冷えてもいないが、ミルクのように滑らかで甘く、とても美味い。
「私はいいです、そんな……」
 ケーテは最初のうちは拒んでいたが、コップに注がれたワインを手に押し付けられると一気に飲み干した。そして頬を染め、ふうっと甘い息を吐く。
 注がれた二杯めを、ケーテはもう拒まなかった。
 その酔いの勢いだろうか。空き瓶を投げ捨て、じゃあなと立ち去りかけたペーターの背に、ケーテが声をかけた。
「聞かせて下さい、あの話の続きを」
 怪訝な顔で振り返るペーターに、ケーテは重ねて言った。
「パリにいた時、銃殺されそうになった。そう話してくれましたよね?」
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登場人物紹介

 ペーター・ドレシャー……ただ機械が好きなだけの、大人しく心優しい青年。興味があるのはナチスの政治的な主張ではなく、ナチスが作らせた戦車や装甲車。それで戦争が始まると、一兵卒として召集される前に戦車の整備をする技術将校を目指して士官学校に入学する。

 杉村史生……ペーターと同じく、機械が大好き。ベルリン工科大学に留学し、ペーターと親しくなる。第二次世界大戦が始まった為に帰国できなくなり、ベルリンで機械工学の勉強を続ける。そして大戦末期のロシア軍に包囲され陥落寸前のベルリンで、旧友ペーターと再会する。

 ヨーゼフ・ヴェーゲナー……ペーターの従兄でナチスの若きエリート。ナチス思想に心から染まっているわけではなく、第一に考えているのは己の出世。愛想は良いが心は冷たい。だが従弟のペーターのことは彼なりに大切に思っており、親衛隊に誘ったり、ペーターが窮地に陥ると救いの手を差し伸べたりする。しかしその為、ペーターはますます悪の道に堕ちて行くことになる。

 ケーテ・レンスキ……ポーランド国境に近いポメラニアに住む少女。略奪や暴行をしながら進撃するロシア軍の猛攻に追われ、撤退するミュンヘベルク師団と共にベルリンまで逃げる。その間、師団の看護婦の役目を務める。

 ユーリ・アレクサンドロヴィチ・スミルノフ……ロシア軍の大尉で正義感あふれる熱血漢。政治将校だが、ナチとドイツ軍は憎むが、ドイツの民間人は守ろうとする。

 ステパン・グレゴリオヴィチ・フョードロフ……ロシア軍の上級中尉。NKVD(後にKGBとなる国家保安人民委員部)の職員。

 花井孝三郎……表向きは駐独日本大使館の旅券課員だが、実は陸軍中野学校で教育された特務機関員。杉村史生に総統官邸に潜入しヒトラーの動向を探るよう命じる。

 ハンナ・ベルツ……ベルリンに住む少女。父親が反ナチ思想の持ち主で、「ナチスよりロシア軍の方がマシ」と教え込まれている。

 エルナ・ウルマン……ハンナの友達。父親がドイツ軍の将校である為、ロシア軍をとても恐れている。

 アントン・ブリュックラー……SS中尉で強制収容所の副所長。楽をして生きている要領の良い男。ドイツ軍の敗戦を見越し、収容したユダヤ人から略奪した金品を横領している。

 レーナ・フェスマン……強制収容所に収容されているユダヤ人の少女。頭の良い文学少女で、ふとしたことから知り合ったペーターと親しくなる。しかしそれは決して許されない恋だった。

 バウル・リッター……ベルリン郊外で退却しながら戦うドイツ第九軍の少年兵。故郷の東プロシアはロシア軍に占領され、絶望しながら西へと逃げている。

 マックス・シュペート……第九降下猟兵師団の伍長だが、本来は空軍の整備兵。兵力不足で東部戦線に駆り出された際に、ロシア兵の残虐さを目にした為、ロシア兵の捕虜になることを死ぬより恐れている。

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