
『ONE』第二部 血の宝石
『ONE』第二部 血の宝石
カツミは初出兵でめざましい活躍をした。特殊能力者にしか成し得ない戦法でオッジの通信施設を無力化したのだ。一波乱あったが帰還したカツミには特進の栄誉が与えられた。
ジェイと父の死。カツミはまだそれを受け入れられずに苦悩していたが、彼を更に追い込むものがあった。シドの狂気。生きる意味を無くしたシドは、カツミに自分を殺せと強要する。
カツミは大きな選択を迫られた。生か死か。逃げることの出来ない選択に。
注・『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
目次
完結 全22話
2021年09月08日 21:00 更新
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幕間
- エンゲージ2021年08月18日
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第一章 唯一の例外
- 第一話 殺人予告2021年08月19日
- 第二話 招待状2021年08月20日
- 第三話 一番強いカード2021年08月21日
- 第四話 知らないほうが幸せ2021年08月22日
- 第五話 残すもの2021年08月23日
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第二章 時の神の試練
- 第一話 眠れないわけ2021年08月24日
- 第二話 行けば分かりますよ2021年08月25日
- 第三話 正気と狂気の狭間2021年08月26日
- 第四話 作戦司令官2021年08月27日
- 第五話 嵐のただなか2021年08月28日
- 第六話 決別の儀式2021年08月29日
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第三章 見極める者
- 第一話 出発点の違う二人2021年08月30日
- 第二話 手紙2021年08月31日
- 第三話 告白2021年09月01日
- 第四話 責める者も嘆く者も2021年09月02日
- 第五話 今までで一番、愛情のあること2021年09月03日
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第四章 血の宝石
- 第一話 導く者2021年09月04日
- 第二話 春風が揺らす花2021年09月05日
- 第三話 本性2021年09月06日
- 第四話 浄化と再生2021年09月07日
- 第五話 たったひとつの2021年09月08日
登場人物

□カツミ・シーバル
主人公。
男性。十九歳~二十歳。少尉~少佐。飛行隊。
眉目秀麗。幼顔で中性的。身長160センチ。華奢で小柄。
右の瞳がトパーズ色、左の瞳がクリムゾン色のオッドアイ(ヘテロクロミア)。
肩まで伸びたやや癖のあるクリーム色の猫っ毛。
最高位の士官学校を首席卒業した優秀な人物。父親は特区の最高責任者。
母親はカツミを産んですぐに死亡。一人っ子。
育児や教育は使用人によって行われ、父親からネグレクトと虐待を受けて育つ。
拒食症で不眠症。体力は特殊能力で保持している。
超A級特殊能力者だが、子供の頃に父親の本音を知るのが怖くなり、能力のほぼ全てをみずから封印した。ただし戦地では解放している。
口癖は「ごめん」。自虐的で自罰的。逆に天然な面があり、小悪魔的。
無意識に他人の本音を引き出す言動をする。
必要のない人間だと言われることを極度に恐れている。寂しがり。

□ジェイ・ド・ミューグレー
カツミの恋人。
男性。二十八歳~二十九歳。少佐。研究者。
貴族の家柄。家は財閥系の情報企業。長男で弟がひとりいる。
身長180センチ。すらりとした長身。黒髪。淡い茶色の瞳。眼鏡をしている。
幼い頃から天才と騒がれ跡取りとして大事に育てられる。
幼年学校は二年スキップしたにも関わらず、あらゆる資格を取得。
士官学校も一年スキップで卒業する(ラヴィ・シルバー以来の快挙)。
家の跡を継ぐまでの間という約束で長年の夢であった特区入隊を果たすが、事故により飛行隊任務が出来なくなる。婚約も破棄。任務も研究職に変える。家の跡取りは弟に変わる。
カツミにとっては父親的存在。
優しさと狡さ、独占欲と包容力を持つ。長いスパンで先を見通すため、他人には理解し難く、アンビバレンツな人物に見える。

□シド・レイモンド
ジェイの元恋人。一年前に別れたが、現在も未練を持っている。
男性。二十八歳。少佐。軍医(外科医)。
実家は開業医。父親は外科医。母親はシドが十歳の時に離婚。一人息子。
肩まで伸びた癖のある栗色の髪。栗色の瞳。女性的な印象。
スキップで入学した医大を首席卒業した切れ者。毒舌家で皮肉屋。挫折を知らない世渡り上手。
カツミの恋敵的存在だが、いい人を演じている。

□フィーア・ブルーム
カツミの同僚。ライバル的存在。
男性。十九歳。少尉。飛行隊。
さらりとしたクリーム色の髪。深く青い瞳。A級特殊能力者。
母親から虐待を受けて育つ。士官学校に入る前からアーロン(ジェイの弟)に見出され、支援を受ける。
温厚で控え目な性格を演じているが、他人に本音で接することを恐れている。

□セアラ・ラディアン
カツミの姉的存在。関係は一度だけあるが実質片思い。
女性。十九歳。少尉。管制塔任務。
さらりとした長い黒髪。栗色の瞳。美少女。
天真爛漫。反面、思慮深く母性が強い。
大きな瞳をくるりと上に向けて微笑む癖がある。

□ユーリー・ファント
カツミの同僚。上官。
男性。二十五歳。少佐。飛行隊。
実家は貿易商。サラの幼馴染み。自称情報通。A級特殊能力者。
社会背景や軍の在り方に強い疑問を持っている。
困った時に頭を掻く癖がある。

□ロイ・フィード・シーバル
カツミの父。特区の最高責任者。
男性。四十七歳。中将。
クリーム色の短髪。トパーズ色の瞳。長身。
実力主義の冷酷な人物。カツミのことは所有物と思っている。
A級特殊能力者。

□ルシファー・セルディス
カツミの同僚。後輩。
男性。十八歳。少尉~大尉。飛行隊。カツミのフライトオフィサ。
実家は百貨店経営や貿易を営む名家。兄と姉がおり、末っ子。
さらりとした黒髪。深い緑色の瞳。身長180センチ。長身。
A級特殊能力者。特に『聞く者』の能力に長けている。
他人の心の裏側が聞けることで、子供の頃は人間不信で攻撃的だった。
聞けることが当然で育っているので、シールドが高く聞けないカツミに振り回される。同時に唯一の分からない相手であるカツミに惹かれる。
口が達者だが奥手。頭脳先行型。俯瞰から物事を見るのは得意だが、他人の気持ちは察するよりも読んできたので、思い図ることが苦手。観察者側に自分を置く。
読書が趣味。常に分厚い本を読み漁っている。愛読書は『廃船の記録』。

□サラ・ノース
シドの医大時代の後輩。ユーリーの幼馴染み。
女性。二十七歳。少尉。軍医(内科医)。
完璧主義で竹を割ったような性格。物事を突き詰めて議論しないと気が済まない面があるが、逆に繊細で素直な一面もある。バイタリティのある人物。
内心、シドのことが好き。

□ライアン・クレイスン
カツミとは別の飛行隊所属。ルシファーの幼年学校時代の先輩。
男性。二十三歳。大尉。
短い黒髪。黒い瞳。筋肉質な身体。長身。
北区の基地から特区に転属。士官学校出ではなく能力者でもないので、レアケース。
父親の代からの移民(亡命)。
努力家。おおらかで正義感が強く面倒見がいい。実は女好き。
セアラにひとめ惚れする。

□アーロン・ド・ミューグレー
ジェイの弟。
男性。二十七歳。ミューグレー家の次期当主。
くすんだ長い金髪をゆるく束ねている。薄い茶色の瞳。長身。声はジェイと瓜二つ。
天才ともてはやされた兄と常に比較されて育ったため、ジェイに対するコンプレックスと両親やそれに連なる特権階級に対する憎しみを持っている。
他人は自分の目的を達成させるための道具。目的のためには手段を選ばない冷酷な人物。
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小説情報
『ONE』第二部 血の宝石
- 執筆状況
- 完結
- エピソード
- 22話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- SF
- タグ
- SF, ミリタリー, 特殊能力, JUNE, 成長譚, 心理劇, 群像劇, 生と死, 呪縛からの解放, ONEシリーズ
- 総文字数
- 79,942文字
- 公開日
- 2021年07月24日 18:56
- 最終更新日
- 2021年09月08日 21:00
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