紀元前5世紀、北インドは16国が覇権を争う群雄割拠の時代にあった。そのひとつコーサラ国の第7皇太子だったゴータマ・シッタールダは武人として数多の戦果をあげ、「敵将九十九人殺し」の英雄と称えられ、いずれ16国の覇者になると目されていた。しかし、30歳を過ぎ忽然と宮殿から姿を消した。謎は噂を呼び人心に木霊しやがて忘れ去られた。
……一年後、街広場に荷車に溢れんばかりの食糧飲水薬草を積んで現れた痩せ細った男。
野放図な髭や髪で歳の程も分からない。着るものもあちこちで擦り切れ薄汚れている。
彼は積荷を売るのではな、街の片隅に無気力に疼くまる飢えた奴隷たちに無償で配り始めた。薬草は病人に。使用方も教える。
　男は新月のたびに街に現れ同じ行為をして帰る。回数を重ねると今度は奴隷たちの方が彼を待ち侘びるようになる。
　いつしか奴隷たちは彼のことを愛称でゴータと呼ぶようになった。
　そして、物語が紡がれます――

世界の宗教を俯瞰して、教主が人間であるのは仏教だけです。
お伽噺とはまったく違う人間釈迦の実像に迫ります！！
敵将99人殺しの伝説の武人・釈迦は贖罪から社会の底辺喘ぐ奴隷に安息の神を探す旅に出た最中、魔獣、悪魔、天使、創造主とも戦うー

奴隷を救う、奴隷を解放する、支配と戦う者の象徴として、
釈迦、秦の始皇帝、イエスの生涯が語られます
釈迦の求めた『神』は何処にー
予想外の結末に驚かされます。