酒井七馬と手塚治虫

[歴史]

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4件のファンレター

 昭和二十年。終戦直後の日本、大阪。
 大阪大空襲の焼け跡も生々しいその場所に、一人の漫画家が立っていた。
 酒井七馬。
 戦前の大阪漫画界で活躍していたその男は、敗戦のショックに打ちひしがれていた日本人を見て決意する。
 自分の漫画を用いて、そしていずれはディズニーにも劣らないアニメーションを作って、人々を笑顔にしてみせる。
 七馬は大阪で活動を開始する。
 漫画を描き、雑誌を作り、後進を育て――
 そんな七馬の前にひとりの青年が登場した。

「僕の描いた漫画を読んでほしいと思って、ここまで来たんです。僕、手塚といいます」

 それは日本漫画史に残る巨人、『漫画の神様』手塚治虫の若き日の姿であった。



(この物語は、史実をもとにしたフィクションです)

登場人物

酒井七馬(1905~1969)

主人公。大阪漫画界の重鎮。ディズニーを超えるようなアニメ、漫画を作りたいと志す中年漫画家。やがて手塚治虫と出会い、戦後漫画史にその名を残す『新宝島』を手がける。

手塚治虫(1928~1989)

大阪帝国大学の医学専門部に通う学生。七馬の手がける雑誌『まんがマン』に感銘を受け、七馬に漫画の原稿を見てもらおうとやってきた青年。七馬に劣らぬアニメ好きで、日本のディズニーになろうと志している。


大坂ときを(1923~2015)

七馬と共に雑誌『まんがマン』を手がける漫画家。酒井七馬と手塚治虫を引き合わせる役割を果たす。

ファンレター

こんにちは

先日は掲載許可を頂き、ありがとうございました。 先ほど感想を公開させて頂きました。お時間のある時にでも、覗いて頂けるとうれしいです。 このたびはご協力、本当にありがとうございました!

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素晴らしい骨太小説でした

拙生の『骨太未満』にも書かせていただきましたが、前半は手塚治虫の希有な才能に出会った感動や期待に心を震わせた一方で、後半は酒井七馬の悲愁に深く飲み込まれました。激動の昭和史とよく言われますが、当にその変化をリアルに感じさせてくれる作品でした。

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突然ですが、お願いです

こんにちは。先日の「骨太」コンテスト、お疲れ様でした! せっかくのコンテストでしたが、その後あまり書評めいたものが出回ることもなく、早くも忘れかかっている(?)と感じましたもので、僭越ながら私が須崎さんの受賞作と、他の佳作の皆さんの作品の感想を書いたものをまとめてみようかなと思い立ちました。可能でしたら、掲載の許可を頂けると幸いです。 https://novel.daysneo.com/works/b6d9b6cc50e31da35a0c750ad8801dca.html 許可して頂け ... 続きを見る

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素晴らしい作品でした!

七馬の気持ちがありありと伝わってきて、まさに手に汗握る展開でした。七馬と手塚の丁々発止のやり取りも、それぞれの漫画観がにじみ出るように描写されていて素晴らしいですね。読み終えた後の満足感がハンパなかったです(笑)! 第二回骨太(があるのかどうか分かりませんが)では「打倒・須崎さん!」を目指して私も頑張ります(笑)。

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小説情報

酒井七馬と手塚治虫

須崎正太郎  suzakishotaro

執筆状況
完結
エピソード
12話
種類
一般小説
ジャンル
歴史
タグ
漫画, マンガ, 昭和, 歴史, 万人向け, ドラマ, ヒューマンドラマ, 【骨太小説】, シリアス, 男主人公
総文字数
74,920文字
公開日
2019年01月21日 00:02
最終更新日
2020年07月22日 15:49
ファンレター数
4