池内家の宝石 ~十八年目の母と娘~

作者 和泉綾透

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池内静花、十八歳の春。
母と娘、二人で暮らしてきた穏やかで細やかな生活が、静花の上京とともに終わりを告げる。生まれて初めて一人暮らしを始める母・茉莉花の無聊を慰めようと、甥の夏馬が居候を始めた。真っ暗な部屋に帰らなくて済むと、茉莉花は甥の居候を喜んで受け入れる。
他方で静花には、大学生活が始まって早々の連休明けに、静花の突拍子もないおしゃべりに目を細めて耳を傾けられる稀有な青年・東金聖二が現れた。そっと忍び寄る大きな試練の時に向け、聖二は静花のねじくれた心を和らげてくれる。
父親を知らない静花、そのような選択をせざるを得なかった茉莉花――十八年目の母と娘のもとに、十八年の時間を跳び越えて、数奇な運命の新たな扉が開かれる。

〈池内家の人間たち〉
池内桔馬(いけうち・きつま) :元衆議院議員(故人)。
神崎芙蓉(かんざき・ふよう) :桔馬の長女、高校教師。
池内拓馬(いけうち・たくま) :桔馬の長男、県議会議員。
安曇華澄(あずみ・かすみ)  :桔馬の次女、主婦。
池内常葉(いけうち・ときわ) :桔馬の三女、製薬会社の研究員。
池内茉莉花(いけうち・まりか):桔馬の四女、信用金庫職員。
池内叶(いけうち・かのう)  :桔馬の次男、大学教授。
池内夏馬(いけうち・なつめ) :拓馬の長男。
安曇芳乃(あずみ・よしの)  :華澄の長女、市役所職員。
安曇彩日香(あずみ・あすか) :華澄の次女、服飾専門学校生。
安曇大和(あずみ・やまと)  :華澄の長男、大学院生。
神崎真帆(かんざき・まほ)  :芙蓉の長女(二卵性双生児)、大学生。
神崎瑞穂(かんざき・みずほ) :芙蓉の長男(二卵性双生児)、大学生。
池内静花(いけうち・しずか) :茉莉花の長女、大学生。