『ONE』第一部 いのちのクリムゾン 死のトパーズ
『ONE』第一部 いのちのクリムゾン 死のトパーズ
モアナ系の水の星シャルー。この星は隣の惑星メーニェから渡航した人々が開拓した星。
しかしシャルーは、もう百年ものあいだ独立戦争という名の茶番を繰り返している。
周到に思考を剥奪された管理社会。長い時のなかで本来持っていた開拓者としての誇りを失った国。
オッドアイの主人公、カツミ。深紅(クリムゾン)と琥珀色(トパーズ)の瞳は、それを見る者の本心を映し出す。彼は百年前に約束されたこの国を変化させる『導く者』。
幼少期に受けた虐待の記憶──。カツミは死の呪縛からずっと逃れられずにいた。
その彼にいのちの色を映したのは、最愛の人ジェイ。しかしジェイの余命はもう限られていた……。
注・『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
目次
完結 全46話
2021年08月17日 21:00 更新
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第一章 導く者
- 第一話 移民の星の特区2021年07月03日
- 第二話 棘の壁と空気の壁2021年07月04日
- 第三話 違和感2021年07月05日
- 第四話 昔の恋人2021年07月06日
- 第五話 反発心と興味2021年07月07日
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第二章 コインの裏
- 第一話 二つのパス2021年07月08日
- 第二話 おまえはそれを拒めない2021年07月09日
- 第三話 朝までいてくれる?2021年07月10日
- 第四話 嵐の夜2021年07月11日
- 第五話 特別部隊と依頼2021年07月12日
- 第六話 背徳への誘惑2021年07月13日
- 第七話 コインの裏2021年07月14日
- 第八話 最初で最後の賭け2021年07月15日
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第三章 最後の生贄
- 第一話 所有物2021年07月16日
- 第二話 謹慎処分2021年07月17日
- 第三話 ロイという名の人物など2021年07月18日
- 第四話 支配者2021年07月19日
- 第五話 絶望の縁にいても2021年07月20日
- 第六話 過去と狂気2021年07月21日
- 第七話 水面の泡2021年07月22日
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第四章 死から生へ
- 第一話 最後の歯止めを2021年07月23日
- 第二話 混沌に染まれないプリズム2021年07月24日
- 第三話 死に問われる2021年07月25日
- 第四話 結局、私の勝ちだね2021年07月26日
- 第五話 死から生へ2021年07月27日
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第五章 永遠の欠片
- 第一話 答えは与えられるものじゃない2021年07月28日
- 第二話 初雪の降る日に2021年07月29日
- 第三話 神と罪人の蜜月2021年07月30日
- 第四話 安息の地2021年07月31日
- 第五話 清濁を越えて2021年08月01日
- 第六話 南部へ2021年08月02日
- 第七話 余命と影絵2021年08月03日
- 第八話 貴方の幸せを見届けるくらいは2021年08月04日
- 第九話 欠片と誓い2021年08月05日
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第六章 百年後の邂逅
- 第一話 聞く者と退官2021年08月06日
- 第二話 未知数2021年08月07日
- 第三話 聞く者が聞けないもの2021年08月08日
- 第四話 武器と呪い2021年08月09日
- 第五話 自分への課題2021年08月10日
- 第六話 もう、解けない2021年08月11日
- 第七話 百年後の邂逅2021年08月12日
- 第八話 誤算2021年08月13日
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第七章 全てを許され
- 第一話 託されたもの2021年08月14日
- 第二話 こころと共に2021年08月15日
- 第三話 自分だけの大切な宝石2021年08月16日
- 第四話 唯一の例外2021年08月17日
登場人物
□カツミ・シーバル
主人公。
男性。十九歳~二十歳。少尉~少佐。飛行隊。
眉目秀麗。幼顔で中性的。身長160センチ。華奢で小柄。
右の瞳がトパーズ色、左の瞳がクリムゾン色のオッドアイ(ヘテロクロミア)。
肩まで伸びたやや癖のあるクリーム色の猫っ毛。
最高位の士官学校を首席卒業した優秀な人物。父親は特区の最高責任者。
母親はカツミを産んですぐに死亡。一人っ子。
育児や教育は使用人によって行われ、父親からネグレクトと虐待を受けて育つ。
拒食症で不眠症。体力は特殊能力で保持している。
超A級特殊能力者だが、子供の頃に父親の本音を知るのが怖くなり、能力のほぼ全てをみずから封印した。
ただし戦地では解放している。
口癖は「ごめん」。自虐的で自罰的。逆に天然な面があり、小悪魔的。
無意識に他人の本音を引き出す言動をする。
必要のない人間だと言われることを極度に恐れている。寂しがり。
□ジェイ・ド・ミューグレー
カツミの恋人。
男性。二十八歳~二十九歳。少佐。研究者。
貴族の家柄。家は財閥系の情報企業。長男で弟がひとりいる。
身長180センチ。すらりとした長身。黒髪。淡い茶色の瞳。眼鏡をしている。
幼い頃から天才と騒がれ跡取りとして大事に育てられる。
幼年学校は二年スキップしたにも関わらず、あらゆる資格を取得。
士官学校も一年スキップで卒業する(ラヴィ・シルバー以来の快挙)。
家の跡を継ぐまでの間という約束で長年の夢であった特区入隊を果たすが、事故により飛行隊任務が出来なくなる。婚約も破棄。任務も研究職に変える。家の跡取りは弟に変わる。
カツミにとっては父親的存在。
優しさと狡さ、独占欲と包容力を持つ。
長いスパンで先を見通すため、他人には理解し難く、アンビバレンツな人物に見える。
□シド・レイモンド
ジェイの元恋人。一年前に別れたが、現在も未練を持っている。
男性。二十八歳。少佐。軍医(外科医)。
実家は開業医。父親は外科医。母親はシドが十歳の時に離婚。一人息子。
肩まで伸びた癖のある栗色の髪。栗色の瞳。女性的な印象。
スキップで入学した医大を首席卒業した切れ者。毒舌家で皮肉屋。挫折を知らない世渡り上手。
カツミの恋敵的存在だが、いい人を演じている。
□フィーア・ブルーム
カツミの同僚。ライバル的存在。
男性。十九歳。少尉。飛行隊。
さらりとしたクリーム色の髪。深く青い瞳。A級特殊能力者。
母親から虐待を受けて育つ。士官学校に入る前からアーロン(ジェイの弟)に見出され、支援を受ける。
温厚で控え目な性格を演じているが、他人に本音で接することを恐れている。
□セアラ・ラディアン
カツミの姉的存在。関係は一度だけあるが実質片思い。
女性。十九歳。少尉。管制塔任務。
さらりとした長い黒髪。栗色の瞳。美少女。
天真爛漫。反面、思慮深く母性が強い。
大きな瞳をくるりと上に向けて微笑む癖がある。
□ユーリー・ファント
カツミの同僚。上官。
男性。二十五歳。少佐。飛行隊。
実家は貿易商。サラの幼馴染み。自称情報通。A級特殊能力者。
社会背景や軍の在り方に強い疑問を持っている。
困った時に頭を掻く癖がある。
□ロイ・フィード・シーバル
カツミの父。特区の最高責任者。
男性。四十七歳。中将。
クリーム色の短髪。トパーズ色の瞳。長身。
実力主義の冷酷な人物。カツミのことは所有物と思っている。
A級特殊能力者。
□ルシファー・セルディス
カツミの同僚。後輩。
男性。十八歳。少尉~大尉。飛行隊。カツミのフライトオフィサ。
実家は百貨店経営や貿易を営む名家。兄と姉がおり、末っ子。
さらりとした黒髪。深い緑色の瞳。身長180センチ。長身。
A級特殊能力者。特に『聞く者』の能力に長けている。
他人の心の裏側が聞けることで、子供の頃は人間不信で攻撃的だった。
聞けることが当然で育っているので、シールドが高く聞けないカツミに振り回される。同時に唯一の分からない相手であるカツミに惹かれる。
口が達者だが奥手。頭脳先行型。俯瞰から物事を見るのは得意だが、他人の気持ちは察するよりも読んできたので、思い図ることが苦手。観察者側に自分を置く。
読書が趣味。常に分厚い本を読み漁っている。愛読書は『廃船の記録』。
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小説情報
『ONE』第一部 いのちのクリムゾン 死のトパーズ
- 執筆状況
- 完結
- エピソード
- 46話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- SF
- タグ
- SF, ミリタリー, 特殊能力, JUNE, 成長譚, 心理劇, 群像劇, 生と死, 呪縛からの解放, ONEシリーズ
- 総文字数
- 146,462文字
- 公開日
- 2021年06月30日 18:37
- 最終更新日
- 2021年08月17日 21:00
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