黄金の檻の高貴な囚人
短編集。ナポレオンの息子、ライヒシュタット公フランツを囲む人々の、群像劇。
ナポレオンと、敗戦国オーストリアの皇女マリー・ルイーゼの間に生まれたフランツ。彼は、父ナポレオンが没落すると、母の実家であるハプスブルク宮廷に引き取られた。やがて母とも引き離され、一人、ウィーンに幽閉される。
仇敵ナポレオンの息子(だが彼は、オーストリア皇帝の孫だった)に戸惑う周囲の人々。父への敵意から、懸命に自我を守ろうとする幼いフランツ。しかしオーストリアには敵ばかりではなかった……。
ナポレオンの絶頂期からウィーン3月革命までを描く。
※カクヨムさんで完結している「ナポレオン2世 ライヒシュタット公」のスピンオフ短編集です
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885142129
※星海社さんの座談会(2023.冬)で取り上げて頂いた作品は、こちらではありません。本編に含まれるミステリのひとつを抽出してまとめたもので、公開はしていません
https://sai-zen-sen.jp/works/extras/sfa037/01/01.html
※表紙画像
Sara Biljana Gaon (off) "Caged Bird"
https://www.flickr.com/photos/sarabiljana/25482708874
※断りのない画像は、全て、wikiからのパブリック・ドメイン作品です
目次
完結 全42話
2022年08月19日 10:49 更新
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カール大公の恋
- 1 1805年―屈辱2021年08月03日
- 2 回想・タンプル塔を出て12021年07月16日
- 3 回想・タンプル塔を出て22021年07月16日
- 4 アスペルンの勝者2021年07月17日
- 5 最愛のジョイア2022年08月19日
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もう一人の売られた花嫁
- 1 フランス語しか話さない子ども2021年07月08日
- 2 ナポレオンからの贈り物2021年07月08日
- 3 サイコロの目2021年07月19日
- 4 売られた花嫁の死2021年07月08日
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アルプスに咲いた花
- 1 高山植物2021年07月09日
- 2 出会い2021年07月29日
- 3 貴賤婚2021年07月29日
- 4 幸福と有頂天2021年07月31日
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片目の将軍
- 1 覚醒2021年08月04日
- 2 レディー・キラーの後悔2021年07月29日
- 3 レディー・キラーの贖罪2021年07月13日
- 4 皇帝への遺書2021年08月07日
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『ドン・カルロス』異聞
- 1 2021年08月10日
- 2 2021年08月09日
- 3 2021年07月13日
- 4 2021年08月11日
- 5 2021年08月12日
- 6 2021年07月13日
- 7 2021年08月14日
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叶えられなかった約束
- 1 幼い恋心2021年08月09日
- 2 プロテスタントの妻2021年12月23日
- 3 雪のシェーンブルン2021年08月09日
- 4 軍務への希望2021年08月18日
- 5 然るべき時の流れと必然2021年08月13日
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夏の雷鳴
- 1832年7月22日未明2021年07月14日
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二つの貴賤婚
- 1 パルマの醜聞2021年08月24日
- 2 フランツとゾフィー大公妃の……2021年08月24日
- 3 スウィート・フランツェン2021年08月28日
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画家からの手紙
- 1 2021年07月14日
- 2 2021年08月30日
- 3 2021年07月14日
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1848年ウィーン革命
- 1 亡命2021年07月17日
- 2 愛娘の結婚2021年09月04日
- 3 入れ違い2021年09月04日
- 4 蜂起2021年09月04日
- 5 メッテルニヒの退陣2021年09月04日
- 6 鎮圧2022年06月01日
登場人物
カール大公
1771.9.5 - 1847.4.30
(カール大公の恋)
ライヒシュタット公の母方の大叔父。1796年の革命戦争では、ジュールダン麾下サンブル=エ=ムーズ軍、モロー麾下ライン・モーゼル軍と戦い、両軍を分断させ、勝利を収める。1809年のナポレオン軍との戦い(対オーストリア戦)の後は軍務を退き、軍事論の著述に専念する。
レオポルディーネ
1797.1.22 ‐ 1826.12.11
(もう一人の売られた花嫁)
ライヒシュタット公の母方の叔母。皇帝フランツの娘。ポルトガル王太子ペドロと結婚する。ナポレオンの侵攻を受け、ポルトガル王室は当時、植民地のブラジルへ避難していた。ペドロとの結婚の為、レオポルディーネも、ブラジルへ渡る。
マリー・ルイーゼ
1791.12.12 - 1847.12.17
(2つの貴賤婚)
ライヒシュタット公の母。ナポレオンの二人目の妻、かつてのフランス皇妃。ウィーン会議でパルマに領土を貰い、5歳になる直前の息子を置いて旅立っていった。以後、全部で8回しか帰ってこなかった(最後の1回は、彼が公的に死の宣告をされた後)。
エドゥアルド・グルク
1801.11.17– 1841.3.31
(画家からの手紙)
ウィーンの宮廷画家。メッテルニヒに見いだされ、採用された。グルクの死から約170年後、彼が描いた絵が、モル男爵の屋敷で発見された。モル男爵は、かつてライヒシュタット公の補佐官で、その死の床に最後まで付き添った。
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