頭狂ファナティックス

作者 玉置棕櫚

[現代アクション]

347

1,295,252

0件のファンレター

東京×異能×狂人=バトルロワイヤル!? 
アクセル踏みっぱなしの現代異能バトルノベル!


【第一部:ペストの時代の愛】
 「コンプレックス」と呼ばれる異能が存在する現代日本。大室銀太は能力者の育成を目的とした全寮制の学校、国立光文学園で平和な日々を過ごしていた。ところが十二月のある日、何の予兆もなく学園が日本軍によって封鎖される。理事会側から封鎖の目的は「ペストの発生とその隔離」と説明されるが、学園内に発病している人間は見当たらない。
 銀太は幼馴染の瀧川紅月、姉の大室綴、綴の親友の埜切秋姫と共同生活を行い、封鎖を乗り切ることを決意する。ところが日本軍は封鎖を続けるのみで、学園内の秩序には介入して来ず、誰もが封鎖の解除まで怠慢な時間を過ごすものだと思うようになる。
 しかしある殺人事件をきっかけにして、銀太たちは血腥い殺し合いに巻き込まれていくことになる……。

【第二部:偉大なる二十世紀】
 二十一世紀を目前に迫った世紀末の東京、上野。ここに一人の文無しの男が現れた。男の名前は忍谷夕吉。職業は賭博師。
 忍谷は日本でも有数の名家千ヶ谷家の長女、千陰と手を組み、金も地位も名誉もすべて手に入れる計画を立てていた。何を隠そう、忍谷は千陰からのリークにより、東京で封鎖政策が行われることを知っていたのだ。
 千ヶ谷家の人々。権力者たち。予言するコンプレックスを持つ謎の少女。カジノを取り仕切るゲームマスター。そして大日本帝国八十六代内閣総理大臣。
 この混乱と殺戮のマネーゲームの中で、勝利の女神は誰に微笑むのか?

【第三部:私の、愛せなかった世界】
 能力省公安部13課。その存在は公には隠されている。この組織は政府内部から異分子が発生したり、内ゲバまで発展したりした場合に出動する粛清組織である。
 その性質のために、所属するメンバーは特異な人生を歩んできたものばかりだ。
 支倉真古都。この新人に千種鼎は心惹かれていた。
 彼女の細やかな心遣い、ほろほろとした笑い方、気弱にも見える表情、どれもが血腥い13課には相応しくないものだった。
 しかし、2000年12月。東京封鎖政策の施行とともに真古都の過去と秘密、そして狂気が明らかになっていき……。



 コンプレックスの名前はすべて文学、音楽、絵画、映画など芸術作品から取っています。NOVEL DAYSさんでは活動報告の機能も搭載されており、せっかくなので名前の元ネタをそちらにて随時紹介しようと思います。
 ただし必然的に多大なネタバレを含むことになるので、観覧にはご注意ください。

目次

連載中 全234話

2021年06月11日 11:20 更新

  1. 投稿サイト「たいあっぷ」オープニングコンテスト

  2. 「たいあっぷ」版の案内2021年06月11日
  3. 第一部「ペストの時代の愛」

  4. プロローグ

  5. 殺人犯2017年12月07日
  6. 第一章「おかしな二人組(スウード・カップル)」

  7. 風呂①2017年12月07日
  8. 風呂②2017年12月07日
  9. 須磨楓子2017年12月08日
  10. 大室銀太VS須磨楓子①2017年12月08日
  11. 大室銀太VS須磨楓子②2017年12月09日
  12. 全裸土下座2017年12月10日
  13. じゃれ合い①2017年12月11日
  14. じゃれ合い②2017年12月12日
  15. 埜切秋姫①2017年12月13日
  16. 埜切秋姫②2017年12月14日
  17. 守門恒明2017年12月15日
  18. 学園封鎖2017年12月16日
  19. 全校集会2017年12月17日
  20. 第二章「オラン市のように」

  21. 第二章を書き記すにあたって2017年12月18日
  22. 綴と恒明2017年12月19日
  23. 清美一暁の訪問2017年12月20日
  24. 瀧川紅月VS清美一暁①2017年12月21日
  25. 瀧川紅月VS清美一暁②2017年12月22日
  26. 瀧川紅月VS清美一暁③2017年12月23日
  27. 死闘のあと2017年12月26日
  28. もしも明日があるならば2017年12月25日
  29. 『バベルの図書館』2017年12月26日
  30. 葬式2017年12月27日
  31. 大室銀太VS守門恒明①2017年12月28日
  32. 大室銀太VS守門恒明②2017年12月29日
  33. 大室銀太VS守門恒明③2017年12月30日
  34. 交渉2017年12月31日
  35. 安堵2018年01月03日
  36. 第三章「ショッピングモールの内乱」

  37. 常盤七星2018年01月04日
  38. ショッピングモールの幹部たち2018年01月05日
  39. 地下の管理人2018年01月06日
  40. ショッピングモールの生活2018年01月07日
  41. 赤藤と犬童2018年01月08日
  42. 閉鎖空間の殺人事件2018年02月09日
  43. 犯人からのプレゼントボックス2018年01月26日
  44. 拳銃自殺の謎2018年01月31日
  45. コーヒーブレーク2018年02月09日
  46. 処刑2018年02月10日
  47. ショッピングモールの内乱①  赤藤梨音のコンプレックス2018年02月12日
  48. ショッピングモールの内乱② 大室銀太&瀧川紅月VS毒島慈2018年02月14日
  49. ショッピングモールの内乱③ 『パルプ・フィクション』2018年02月15日
  50. ショッピングモールの内乱④ VS犬童影千代2018年02月16日
  51. ショッピングモールの内乱⑤ 須磨楓子VS一重柳子2018年02月17日
  52. ショッピングモールの内乱⑥ VS也則允彦2018年02月23日
  53. ショッピングモールの内乱⑦ 決着2018年02月19日
  54. 第四章「この章で大室銀太は殺人犯の正体を突き止める」

  55. 守門恒明の話2018年02月20日
  56. 置手紙2018年02月21日
  57. 死体2018年02月23日
  58. 筆者による、必要のない挿話2018年02月23日
  59. 大室銀太&瀧川紅月VS桑折良蔵&立畑照葉①2018年02月24日
  60. 大室銀太&瀧川紅月VS桑折良蔵&立畑照葉②2018年02月25日
  61. 大室銀太&瀧川紅月VS桑折良蔵&立畑照葉③2018年02月26日
  62. 8456381ページ2018年02月27日
  63. 第五章「Somebody to Love(愛にすべてを)」

  64. 物語の裏側で何が起きていたのか? ①2018年02月27日
  65. 物語の裏側で何が起きていたのか? ②2018年02月28日
  66. 『フルメタル・ジャケット』①2018年03月01日
  67. 『フルメタル・ジャケット』②2018年03月02日
  68. 『フルメタル・ジャケット』③2018年03月03日
  69. 『フルメタル・ジャケット』④2018年03月05日
  70. 一つの時代の終わり2018年03月06日
  71. 12月24日2018年03月21日
  72. 第二部「偉大なる二十世紀」

  73. 第一章「ジョニー・B.グッド」

  74. カジノ①2018年05月15日
  75. カジノ②2018年08月26日
  76. 千ヶ谷千陰2019年03月21日
  77. パーティ・チョップ2018年03月11日
  78. 忍谷夕吉VS切田善嗣①2018年03月12日
  79. 忍谷夕吉VS切田善嗣②2018年03月15日
  80. 暗殺者2018年03月16日
  81. 第二章「百億円ゲーム」

  82. 赤藤詩音2018年03月23日
  83. 次の一手2018年03月17日
  84. 源次郎助2018年03月22日
  85. 忍谷夕吉VS源次郎助 第一戦「バックギャモン」①2018年03月22日
  86. 忍谷夕吉VS源次郎助 第一戦「バックギャモン」②2018年03月23日
  87. 忍谷夕吉VS源次郎助 第一戦「バックギャモン」③2018年03月31日
  88. オークションの参加権2018年03月27日
  89. 忍谷、千陰、詩音2018年03月28日
  90. 千ヶ谷家にて2018年03月31日
  91. オークション①2018年04月03日
  92. オークション②2018年04月04日
  93. 黒塗ほのか①2018年04月05日
  94. 黒塗ほのか②2018年05月01日
  95. 黒塗ほのか③2018年04月11日
  96. 第三章「東京封鎖」

  97. ホテルでの生活2018年04月15日
  98. 赤藤詩音VS間宮蘖①2018年04月17日
  99. 赤藤詩音VS間宮蘖②2018年04月22日
  100. 赤藤詩音VS間宮蘖③2018年05月01日
  101. 新たな任務2018年05月10日
  102. 東京封鎖2018年05月07日
  103. 源一派2018年05月12日
  104. 忍谷夕吉VS森重義生① 「チェス」2018年05月17日
  105. 忍谷夕吉VS森重義生② 「チェス」2018年05月18日
  106. 第四章「Dirty Deeds Done Dirt Cheap(安く買い叩かれるちっぽけな仕事)」

  107. 凪子との生活2018年05月21日
  108. 取り立て2018年05月25日
  109. 光文学園①2018年05月30日
  110. 光文学園②2018年06月02日
  111. 五十鈴凪子のコンプレックス2018年06月19日
  112. 忍谷夕吉&五十鈴凪子VS園城ゆゑ①2018年08月24日
  113. 忍谷夕吉&五十鈴凪子VS園城ゆゑ②2018年08月25日
  114. 忍谷夕吉&五十鈴凪子VS園城ゆゑ③2018年08月27日
  115. 忍谷夕吉&五十鈴凪子VS園城ゆゑ④2018年08月28日
  116. 決断を迫られる2018年09月14日
  117. 呼び出し2018年09月20日
  118. 忍谷夕吉VS源次郎助 第二戦「花札」①2018年12月04日
  119. 忍谷夕吉VS源次郎助 第二戦「花札」②2018年12月09日
  120. 『バック・イン・ブラック』2018年12月10日
  121. チガヤ・コーポレーション① 千陰との話2018年12月24日
  122. チガヤ・コーポレーション② 絹人、千一郎との話2018年12月26日
  123. 公安部13課2018年12月29日
  124. 第五章「12月24日」

  125. 前日2019年01月03日
  126. 東京帝国ホテル①2019年01月29日
  127. 東京帝国ホテル②2019年01月30日
  128. 東京帝国ホテル③2019年02月06日
  129. 東京帝国ホテル④2019年02月16日
  130. 赤藤詩音VS二色廻①2019年03月02日
  131. 赤藤詩音VS二色廻②2019年03月04日
  132. 赤藤詩音VS二色廻③2019年03月04日
  133. 千ヶ谷千陰VS五十鈴凪子①2019年03月06日
  134. 千ヶ谷千陰VS五十鈴凪子②2019年03月11日
  135. 天国行きの列車を待ちながら2019年03月12日
  136. 千ヶ谷千陰VS五十鈴凪子③2019年03月13日
  137. ラストバトルの前に書いておくこと2019年03月19日
  138. 忍谷夕吉VS源次郎助 第三戦①2019年03月21日
  139. 忍谷夕吉VS源次郎助 第三戦②2019年03月23日
  140. 忍谷夕吉VS源次郎助 第三戦③2019年03月24日
  141. 忍谷夕吉VS源次郎助 第三戦④2019年03月25日
  142. 忍谷夕吉VS源次郎助 第三戦⑤2019年03月26日
  143. 忍谷夕吉VS源次郎助 第三戦⑥2019年04月12日
  144. 来訪者2019年04月01日
  145. 第三部「私の、愛せなかった世界」

  146. 第一章「I Fought the Law (And the Law Won)」

  147. 能力省公安部13課2019年04月13日
  148. 冬の朝2019年04月17日
  149. 武蔵小杉へ2019年04月18日
  150. 支倉真古都VS氏家卓爾①2019年05月11日
  151. 支倉真古都VS氏家卓爾②2019年09月08日
  152. 『犬のためのぶよぶよとした前奏曲』、『ミスター・タンブリン・マン』、『星月夜』2019年05月16日
  153. 食事の誘い2019年09月10日
  154. イタリアンレストラン①2019年05月26日
  155. イタリアンレストラン②2019年05月27日
  156. 舞台の幕は上がりて①2019年07月06日
  157. 舞台の幕は上がりて②2019年07月07日
  158. プロポーズ2019年09月08日
  159. 第二章「Welcome to the Black Parade」

  160. 千種小依①2019年07月11日
  161. 千種小依②2019年07月12日
  162. 東京封鎖政策①2019年08月22日
  163. 東京封鎖政策②2019年08月23日
  164. 渋谷制圧作戦① 夜明け前2019年08月25日
  165. 渋谷制圧作戦② 暴動勃発2019年08月30日
  166. 渋谷制圧作戦③ 護送車からの脱出2019年09月06日
  167. 渋谷制圧作戦④ 扇動者の存在2019年09月07日
  168. 渋谷制圧作戦⑤ 『クロコダイル・ロック』2019年09月08日
  169. 渋谷制圧作戦⑥ 『芽むしり仔撃ち』2019年09月09日
  170. 渋谷制圧作戦⑦ 道化師の登場2019年09月13日
  171. 渋谷制圧作戦⑧ 『ブリキの太鼓』2019年09月14日
  172. 渋谷制圧作戦⑨ 小依の予感2019年09月26日
  173. 渋谷制圧作戦⑩ 真古都と道化師2019年09月30日
  174. 渋谷制圧作戦⑪ 真古都&白川2019年09月28日
  175. 渋谷制圧作戦⑫ 支倉真古都&白川冬彦VS道化師2019年09月29日
  176. 渋谷制圧作戦⑬ 励起、そして修道女の誕生2019年09月30日
  177. 渋谷制圧作戦⑭ 根所森の正体2019年10月01日
  178. 渋谷制圧作戦⑮ 『ブリキの太鼓』、その先にあるもの2019年10月02日
  179. 渋谷制圧作戦⑯ スペクトルの危険な領域2019年10月01日
  180. 渋谷制圧作戦⑰ 『真夜中の子供たち』2019年10月04日
  181. 渋谷制圧作戦⑱ セルシンの投与2019年10月05日
  182. 渋谷制圧作戦⑲ 根所森との対峙2019年10月06日
  183. 渋谷制圧作戦⑳ 取引2019年10月07日
  184. 渋谷制圧作戦㉑ 葛籠未造の居場所2019年10月08日
  185. 渋谷制圧作戦㉒ 終結2019年10月09日
  186. 第三章「Knockin' on Heaven's Door」

  187. 『犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲』2019年10月10日
  188. 渋谷制圧作戦、その翌日①2019年11月07日
  189. 渋谷制圧作戦、その翌日②2019年11月08日
  190. 渋谷制圧作戦、その翌日③2019年11月09日
  191. 東京刑務所、通称ヘヴンズ・ドアー2019年11月10日
  192. 天国への扉2019年11月25日
  193. 宵宮硝子①2019年11月26日
  194. 宵宮硝子②2019年12月05日
  195. 宵宮硝子③2019年12月13日
  196. 宵宮硝子④2019年12月30日
  197. 宵宮硝子⑤2019年12月31日
  198. 支倉真古都と宵宮硝子2020年01月01日
  199. 六鹿近衛①2020年01月08日
  200. 六鹿近衛②2020年01月09日
  201. 六鹿近衛③2020年01月18日
  202. 六鹿近衛④2020年01月19日
  203. 食堂にて①2020年01月26日
  204. 食堂にて②2020年01月27日
  205. 地下図書館①2020年02月06日
  206. 地下図書館②2020年02月07日
  207. 地下図書館③2020年02月18日
  208. 地下図書館④2020年02月19日
  209. 地下図書館⑤2020年02月20日
  210. 夕食、女三人の会話①2020年02月23日
  211. 夕食、女三人の会話②2020年02月26日
  212. 夕食、女三人の会話③2020年02月27日
  213. 夕食、女三人の会話④2020年02月28日
  214. 東京刑務所所長、不破錬太郎①2020年02月29日
  215. 東京刑務所所長、不破錬太郎②2020年03月01日
  216. 東京刑務所所長、不破錬太郎③2020年03月05日
  217. 東京刑務所所長、不破錬太郎④2020年03月08日
  218. 東京刑務所所長、不破錬太郎⑤2020年03月09日
  219. 東京刑務所所長、不破錬太郎⑥2020年03月10日
  220. 東京刑務所所長、不破錬太郎⑦2020年03月11日
  221. 第四章「I Still Haven't Found What I'm Looking For(あなたはまだ見つからず)」

  222. 決別のあと①2020年04月21日
  223. 決別のあと②2020年04月22日
  224. 決別のあと③2020年04月23日
  225. 決別のあと④2020年04月24日
  226. 決別のあと⑤2020年04月25日
  227. 決別のあと⑥2020年05月08日
  228. 決別のあと⑦2020年05月09日
  229. 千種鼎の弁論2020年05月10日
  230. 決別のあと⑧2020年05月18日
  231. 決別のあと⑨2020年05月19日
  232. 『星月夜』の「鍵」①2020年05月25日
  233. 『星月夜』の「鍵」②2020年05月26日
  234. 『星月夜』の「鍵」③2020年05月27日
  235. 支倉真古都の処分2020年05月28日
  236. 槻舘士門①2020年06月09日
  237. 槻舘士門②2020年06月11日
  238. 槻舘士門③2020年06月12日
  239. 槻舘士門④2020年06月13日
  240. 槻舘士門⑤2020年06月14日
  241. 千種鼎VS槻舘士門①2020年06月25日
  242. 千種鼎VS槻舘士門②2020年07月10日
  243. 千種鼎VS槻舘士門③2020年08月13日
  244. 千種鼎VS槻舘士門④2020年08月14日
  245. 『ブルーにこんがらがって』2020年08月23日
  246. 「will」の正体①2020年08月26日
  247. 「will」の正体②2020年08月27日
  248. 第五章「あなたに愛された世界」

  249. 合流①2020年09月01日
  250. 合流②2020年09月05日
  251. 二つの資料について2020年09月21日
  252. 12月22日①2020年10月11日
  253. 12月22日②2020年10月15日
  254. 決断2020年10月17日

登場人物

第三部「私の、愛せなかった世界」

支倉真古都(はせくらまこと)


第三部の主人公。

能力省公安部13課所属。23歳。京都出身。

東京大学で物理学を専攻していた。専門は散逸構造論。

実は《チルドレン》の一人だった。葛籠未造によって養育されていた時期がある。《チルドレン》たちのなかで最も年が若かった。それにも関わらず、葛籠の課す訓練に最優秀の成績を出し続けていた。

葛籠未造への復讐を誓っており、その居場所を突き止めるため、政府直轄の組織である13課に身を置いている。


シンボル:指輪

第一のコンプレックス:『犬のためのぶよぶよとした前奏曲』

 シンボルの指輪をつけた手で触れた物体から重さを奪う。

 奪った重さはシンボルに保存され、別の物質に与えることもできる。

第二のコンプレックス:『犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲』

 シンボルの指輪に保存した重さをエネルギーに変換して、対象に与える。

 ただし、このときのエネルギーの量はほとんど調整が利かず、エネルギーを与えられた対象は生物・無生物に関わりなく、確実に暴走状態に陥る。その後、対象は与えられたエネルギーに耐え切ることができず、自壊へ至る。

千種鼎(ちぐさかなえ)


第三部のメインキャラクターの一人。

能力省公安部13課所属。25歳。真古都の先輩に当たる。

どういうわけか恐怖の感情が欠落している。しかし本人は決してその原因を話さない。

11年前、『ブリキの太鼓』のシンボルであるピエロの踊りを目撃している。本人はそのときの記憶を失っている。

戦闘時には.44レミントン・マグナムを用いる。


シンボル:羽飾り

第一のコンプレックス:『ミスター・タンブリン・マン』

 対象の摩擦を減らす。その量はある程度、調整が利く。

 調整の幅はスペクトルによって決定する。

第二のコンプレックス:『ブルーにこんがらがって(Tangled Up in Blue)』

千種小依(ちぐさこより)


千種鼎の実妹。14歳。真古都に懐いている。公安部13課の13人目のメンバー。

光文学園中等部に所属しているが、通学していない。一日の大半を公安部13課の準備室で過ごす。

工学、特に情報工学に優れており、13課のコンピュータセキュリティを一任されている。

知識量では同世代の人間を遥かに凌駕するが、精神面では未熟なところが目立つ。


シンボル:ピエロ(能力者の意思とは乖離しており、自立駆動する)

第一のコンプレックス:『ブリキの太鼓』

 シンボルのピエロの踊りを見た人間は意識が焼き切れる。そして意識を取り戻したとき、数時間の記憶と感情の一部を失っている。

 この性質のため、ピエロがどのように踊るかは(能力者本人含め)誰にもわからない。

第二のコンプレックス:『真夜中の子供たち』

 シンボルである修道女を対象に取ったコンプレックスを打ち消す。その後、コンプレックスの能力はすべてその能力者が引き受ける。

ピエロ


千種小依のコンプレックス、『ブリキの太鼓』のシンボル。

能力者の意思と乖離しており、自立駆動する。

真古都と鼎ですら、人型のシンボルは他に例を見たことがないと言う。

踊ることで能力を発動するが、いつ踊り始め、いつ踊りを止めるかは能力者である小依にもわからない。

修道女


千種小依のコンプレックス、『真夜中の子供たち』のシンボル。

やはり能力者の小依との意思は乖離している。

『ブリキの太鼓』が励起した結果、ピエロから姿形が大きく変化した。

励起によりピエロから能力が変わったため、ゆっくりと徘徊するのみであり、踊ることはなくなった。

桝川奈津(ますかわなつ)


能力省公安部13課の課長。女性。年齢は秘密。

毎日、定時で帰る。

普段は厳しい態度を取るが、何だかんだで部下には甘い。


シンボル:封蝋

コンプレックス:『星月夜』

 シンボルの封蝋で指印した物体の情報を暗号化する。

 このとき、暗号の処理は「共通鍵暗号方式」。

 桝川曰く、このコンプレックスによって設定される共通鍵は一つしかない。それは「グラハム数」であり、その性質上、復号することができない。

槻舘士門(つきだてしもん)


能力省公安部13課副課長。54歳で、部署のなかで最年長となる。独身。

非常に高い能力を持つが、野心というものがなく、定年を迎えるまで平和だけを求め、安全に退職金を得ることばかり考えている。

桝川は課長という立場とそのコンプレックスゆえ、後方で指示を出すことが多いため、前線では指揮を任される。そのときの采配の手際や本人の人の好さから、13課では桝川と並ぶほどの信頼を得ている。


シンボル:雨傘

コンプレックス:『焼けたトタン屋根の上の猫』

 投擲した物質の残像をその軌道に沿って、数秒間、永続させる。

 その残像は実物と同じ性質と質量を持つ。

土居静寂(どいしじま)


能力省公安部13課の一人。男性。

治療・補給班のリーダー。


シンボル:???

コンプレックス:『ベートーヴェン・フリーズ』

詳細不明。人体の再生が可能らしい。

白川冬彦(しらかわふゆひこ)


大日本帝国陸軍所属。階級は中尉。

渋谷制圧作戦において、特例として真古都と鼎(言うなれば小依も)の上司になる。

しかし、日本軍と公安部は折り合いが悪いために、真古都たちにあまり良い感情は抱いていない。


シンボル:サングラス(琥珀色のレンズ)

コンプレックス:『クロコダイル・ロック』

 生物の死骸を無数に複製する。その複製は上空から降り注ぐ形で出現する。複製はオリジナルの性質を持つ。

 この能力によって複製された死骸はあくまで「複製」であり、生物であったことは決してない。

根所森(ねどころもり)


葛籠未造が養育していた《チルドレン》の一人。25歳。

十年ほど前、葛籠のもとで、真古都とともに生活していた。そのためお互い、コンプレックスを知っている。

葛籠の強いた過酷な生活のなかで真古都との関係は良好であり、互いに兄妹のような連帯感を抱いていた。


シンボル:冬虫夏草

コンプレックス:『芽むしり仔撃ち』

 シンボルの冬虫夏草は人間に寄生して、その体内に菌糸を作る。寄生主が死亡した場合、菌糸は急激に成長して、体外に子実体を伸ばす。その子実体からは菌が撒き散らされ、新たな宿主に寄生する。

 また菌糸は覚醒作用のある麻薬を分泌しており、寄生された人間は「危機感」を失う。これは自滅に繋がる行為を促し、宿主を死亡しやすくするためである。

不破錬太郎(ふわれんたろう)


東京刑務所、通称ヘヴンズ・ドアーの所長。

現総理大臣、宇津木将臣とは帝国陸軍士官学校での同期であり、盟友。

入閣後、戦争大臣を経て、東京刑務所所長の地位に就く。

東京刑務所を自分の手中に収めており、コンプレックスを保持する囚人たちを徹底した管理下に置いている。


シンボル:領収書

コンプレックス:『無垢と経験の歌』

 「金で買い得ないもの」を買う能力。購入は能力者の個人資産によって行う。

 このコンプレックスによる購入は、対象の材料費、製造費、人材費、流通費を踏み倒す形になるため、通常の購入よりも多額の金額が上乗せされる。

 また、購入した物質に特殊な条件を設定することもできる。しかし、この場合にも、その条件に対して多額の金額が上乗せされる。

宵宮硝子(よいみやしょうこ)


《チルドレン》の一人であり、葛籠のもとで真古都ともに生活していた時期がある。26歳。

現在は東京刑務所看守長の座に就いている。

真古都とは対照的に葛籠未造を信奉している。

冷徹かつ打算的な性格であり、「人間」と「道具」の区別がつかない。

真古都は《チルドレン》のなかでも特に彼女を苦手としているようだが……?


シンボル:拳銃

コンプレックス:『鋼鉄の嵐の中で』

 対象に能力者との対峙を強いる能力。

①一発目の銃弾を受けた対象はその場所に痕跡が残る。このとき、能力者は対象の行動範囲に制限を設ける。

②二発目以降の銃弾は、対象の痕跡の位置に対して、その寸前に出現するようになる。すなわち、適当なコンプレックスを用いて対抗しない限り、不可避の銃弾である。

③能力者は三発の銃弾で対象を始末できなければ、自身がその痕跡のある個所と同じ場所に銃撃を受ける。

六鹿近衛(むつがこのえ)


《チルドレン》の一人。真古都と同い年であり、23歳。

葛籠未造のもとで生活をしていたとき、支倉真古都、根所森と同じく葛籠に反抗的だった数少ない人物。

そのため、真古都とは親友の関係を築いていた。

そのコンプレックスも性質もあり、後方支援が専門で、座学では優秀な成績を修めるが、前線での戦闘は不得手。


シンボル:箪笥(両開き)

コンプレックス:『悦楽共犯者』

 世界から隔離された、自分だけの部屋を持つ能力。

 世界とその部屋を繋ぐことができるものは、シンボルである箪笥のみである。

氏家卓爾(うじいえたくじ)


能力省公安部第一課(極左情報収集)所属。30代前半。

情報収集のエキスパートであり、その功績により公安部第一課に配属された。

しかしそのコンプレックスは情報処理に関するものではなく、戦闘に特化したもの。氏家は自身の情報管理にも優れており、上層部にもそのコンプレックスの詳細を隠していた。

「政府の要人以外は知ってはいけない政策」の情報を掴み、内部告発を試みる。しかし事前に不穏な動きを上層部に察知され、公安部13課(内部粛清)に所属する真古都たちと対峙することになる。

 

シンボル:スプレー缶

コンプレックス:『すべての美しい馬』

 シンボルのスプレー缶により、物質を膨らませる。

 膨らんだ物質は風船のような弾力を得る。強度の限界を超えて空気を注入すると、その物質は破裂する。

 破裂するときに放出するエネルギーを利用して、物質を飛ばしたり、駆動させたりすることができる。

葛籠未造(つづらみぞう)


戦後日本最悪の犯罪者と呼ばれる男。

表向きは死刑の確定から執行まで史上最短で絞首刑に処されたことになっている。

しかし実際は日本政府の庇護下のもと、東京のどこかで生き延びている。

葛籠の犯した犯罪の一つに稀有なコンプレックスを持つ子供を誘拐し、養育していた、というものがある。そのなかの一人に、第三部の主人公、支倉真古都がいる。

東京封鎖政策の最終目的は葛籠を次の「世界の王」にすることである。このことは第二部に登場した黒塗ほのかによってすでに予言されている。


シンボル:???

コンプレックス:『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』

 ???

「世界の王」のコンプレックス:『ニルヴァーナ』

 詳細不明

第二部「偉大なる二十世紀」

忍谷夕吉(しのびたにゆうきち)


第二部の主人公。

賭博師を生業としている。コンプレックスを保持していない無能力者。26歳。
千ヶ谷千陰と組んで、封鎖された東京で成り上がることを計画している。
性格は皮肉屋だが、実業的。

職業柄、変わった特技を多く隠し持っている。

源との最終決戦の直前にコンプレックスを発現する。


シンボル:ポーカーチップ(黒)

コンプレックス:『特性のない男』

 瞬間的にある動作の試行回数を疑似的に増やす。

 試行回数はスペクトルによって決定する。

 スペクトルが上昇するほど、試行回数が増えるので、動作がより正確になっていく。

千ヶ谷千陰(ちがやちかげ)

第二部のメインヒロイン。
日本でも有数の名家、千ヶ谷家の長女。23歳。
生粋のお嬢様なのだが、普段着がジャージ(光文学園時代のもの)、主食がラーメン二郎など、俗っぽい。
近寄りがたい兄と可愛くて仕方のない妹がいる。

意外にも本職はハッカー。

愛銃はワルサーP38。


シンボル:銃弾

コンプレックス:『カラマーゾフの兄弟』

 物質の性質を保ったまま、銃弾に変換する。

 そのさい、口径は指定できる。

千ヶ谷絹人(ちがやきぬひと)

千ヶ谷家の現当主。
千一郎、千陰、千五百の父。
現在の政治情勢は千ヶ谷派と宇津木派に分かれている。
忍谷を千陰の恋人ではないかと疑っている。

シンボル:腕時計
コンプレックス:『ガルガンチュアとパンタグリュエル』
 対象を30分以内のある時点にリセットする。
 本人は物理的な状態だけで、記憶や感情など精神的な状態はリセットできないと言っているが……?

千ヶ谷多真季(ちがやたまき)


千ヶ谷絹人の妻。すなわち千一郎、千陰、千五百の母親。

物語の時点ですでに故人になっている。

兄妹のなかでは、千陰がもっとも母親の容姿と性格を引き継いでいるらしい。

千ヶ谷千一郎(ちがやせんいちろう)

千ヶ谷家の長兄。千陰と千五百の兄。26歳。
次期千ヶ谷家当主。

神経質で気難しい。そのために千陰からは苦手意識を持たれている。

そのコンプレックスゆえ、「千ヶ谷の最高戦力」と評される。


シンボル:蹄鉄

コンプレックス:『ドン・キホーテ』

 能力の範囲内の光の屈折率を操る。

 よって、自分の姿を見えなくしたり、レーザービームの要領で相手に高密度の光を撃ち込んだりすることができる。

千ヶ谷千五百(ちがやちいほ)

千ヶ谷家の次女。
第二部の時点では行方不明になっている。
千陰は妹を探し出すために忍谷と手を組んでいる。

黒塗ほのか(くろぬりほのか)

日本政府に保護されていた謎の少女。17歳。
「未来を見通す」コンプレックスを保持している。
この能力により、2000年問題を予見していた。
忍谷と千陰のことはなぜか出会う前から知っていた。
はたしてその正体は……?

シンボル:???
コンプレックス:「???」

赤藤詩音(あかふじしおん)

暗殺を生業としている。千陰の大親友。23歳。
光文学園特別科クラスに在籍していたころは、千陰とコンビを組んでいた。
しかし金さえ積めば仕事を引き受ける性格で、政治的には千ヶ谷派、宇津木派のどちらにも属していない。
名前からわかるとおり、第一部に登場した赤藤梨音の実姉。

シンボル:窓
コンプレックス:『月は無慈悲な夜の女王』
 手で触れた場所に窓を作る。
 その窓は通常の窓と同じ性質を持つ。つまり開閉ができ、向こう側が見通せ、ガラスは壊れやすい。

源次郎助(みなもとじろすけ)

上野にある国内最大の国営カジノのオーナー(所有者)。28歳。
本職は権力者向けの金貸し。
商売人として、天才的な能力を持っている。
政治的には宇津木派に寄っている。
権力者のあいだで、「ゲームマスター」と呼ばれるほどあらゆるゲームに精通している。

拳銃はS&W M36を携帯しているが、どのような銃でも使いこなせる。


シンボル:鎖

第一のコンプレックス:『バック・イン・ブラック』

 対象との契約を遵守させる。具体的には対象が契約を違反した場合、損害を与える。その損害の内容は対象の「同意」によって決定する。

第二のコンプレックス:『ボヘミアン・ラプソディ』

 能力者が不利益を被った場合、何かしらの形で利益を得るか、能力の範囲内にいる人間にも不利益を与え、埋め合わせる。

 能力の範囲内にいる人間が利益を得た場合、能力者にも利益が与えられるか、その人間に何かしらの不利益を与え、利益を相殺する。

五十鈴凪子(いすずなぎこ)


源の右腕。24歳。

堅物で、軍人のような口調をしている。

二色ほどではないが、戦闘能力に長けており、荒事を頼まれることもある。

拳銃を得物とする。

愛銃はベレッタ・モデル92。


シンボル:風船

コンプレックス:『クロイツェル・ソナタ』

 シンボルの風船は複数出現する。風船に触れた物体は別の風船に転移する。

二色廻(にしきめぐる)

源の側近。源は「秘書のようなもの」と言っている。
無口で無表情。しかし非常に礼儀正しい。意外に気さくらしい。
忍谷はその体つきから、一目で「戦闘タイプ」の人間と見抜いた。

本文ではスキンヘッドになっているのですが、きゃらふとさんの仕様上、再現できなかったので、頃合を見て、キャラデザを作り直します。

シンボル:コルク抜き

コンプレックス:『ホテル・カリフォルニア』

 実物を消滅させ、鏡像だけで存在する。具体的には、このコンプレックスの発動中は鏡や窓など反射する物質のなかに潜り込むが、そのなかでしか動けない。また、能力者以外の人間や道具なども鏡の世界に引きずり込むことができる。

また次の三つの制約がある。

①潜り込むことのできる鏡などは実物よりも大きくなくてはならない。

②実物は実物、鏡像は鏡像でなければ、互いに干渉することができない。

③鏡などが壊れた場合、そのなかにあるものの容量を保てなくなる。そのとき、鏡などに与えられたダメージはなかにあるものにも及び、強制的に実物として引きずり出される。

散歩桐雄(さんぽきりお)

上野にある国内最大の国営カジノの経営者。源から業務を委託されている形となる。
現在は経営者として働いているが、ディーラーとしての腕前はまだ落ちていない。
コンプレックスを保持しているかは不明。

森重義生(もりしげよしお)


日本政府に所属する男。立場は源よりも上となる。

日本政府と光文学園の仲介役となるために、源のもとに派遣されてきた。

異常なほどに厚着をしている。

第一部にて秋姫と接触していた男その人。


シンボル:ポーン(黒)

コンプレックス:『ミリオンダラー・ベイビー』

 対象の物体の価値を誤認をさせる。ただし、価値の変動や能力の範囲はミクロなものである。

宇津木将臣(うつぎまさおみ)

大日本帝国第八十六代内閣総理大臣。
千ヶ谷家の最大の政敵。
東京の封鎖政策の主導者。

シンボル:???
コンプレックス:「???」

猫松喜久二(ねこまつきくじ)

権力者の一人。千陰は性格が悪いと言っている。
元大手薬品会社の重役であり、現在は大手銀行に天下りしている。
コンプレックスを持っていない無能力者。

切田善嗣(せったよしつぐ)

宇津木派の人間に雇われた刺客。
絹人の暗殺を目論見るが、千一郎の機転により防がれた。
その後、忍谷と戦闘になる。

シンボル:スプーン
コンプレックス:『バナナフィッシュにうってつけの日』
 砂糖を自由自在に操る。しかし操れるのは乾いた砂糖だけであり、ジュースに溶解しているものなどは操ることができない。

間宮蘖(まみやひこばえ)

宇津木派に雇われた暗殺者。
宇津木側の人間の依頼ばかり引き受けるため、「宇津木の犬」の汚名を着せられている。
しかし暗殺者としての実力は詩音と拮抗する。
オークションのさいには司会を務めていた。

シンボル:???
コンプレックス:『モダン・タイムス』
 自分の身体を軟化する。これにより関節を無視する形で身体を動かせるようになる。
 柔らかくなった身体の痛覚は通常のときと変わらない。

園城ゆゑ(そのしろゆゑ)


光文学園二年十二組の担任教師。28歳。

学園に封鎖線が敷かれるなか、コンプレックスを用いて自力で脱出した。

実は葛籠未造が誘拐した子供たち〈チルドレン〉の一人だった。


シンボル:人体の一部

コンプレックス:『アナベル・リー』

 能力の範囲内の任意の場所に目や口など自分の身体の部品を複製する。

葛籠未造(つづらみぞう)


戦後日本最悪の犯罪者と呼ばれる男。

表向きは死刑の確定から執行まで史上最短で絞首刑に処されたことになっている。

しかし実際は日本政府の庇護下のもと、東京のどこかで生き延びている。

葛籠の犯した犯罪の一つに稀有なコンプレックスを持つ子供を誘拐し、養育していた、というものがある。なぜこのようなことを行っていたのかは不明。

ほのかの予言によると、葛籠が次の「世界の王」である。

第一部「ペストの時代の愛」

大室銀太(おおむろぎんた)

第一部の主人公。
国立光文学園高等部一年八組所属。15歳。
中性的な顔立ちで少女と間違えられることもあるが、性格は偏執的かつ執念深い。
これまで一般市民として生きてきたために戦闘の経験が一切ない。それゆえ学園の封鎖を乗り切るための戦闘では変則的な戦法に頼らざるを得ない。

シンボル:鋏
第一のコンプレックス:『緑の家』
 シンボルの鋏はその強度に関係なく物体を切断する。そのとき物体の連続性は保たれたままになる。切断面を合わせれば、分断したものは再び接合する。
第二のコンプレックス:『石蹴り遊び』
 『緑の家』によって切断した異なる物質を接合する。接合された物体は元の二つの物質の性質が混ざり合う。時間の経過とともに、物質は元の物質のどちらかの性質へと帰着する。
第三のコンプレックス:『百年の孤独』
 シンボルである鋏に「意思」を与える。鋏はその意思を遂行するように自動駆動するようになる。あくまで鋏は意思を与えられただけであり、生物化していたり、能力者が操作したりしているわけではない。
 鋏の移動のさいは床や壁など、物体を切り裂きながらでなければならない。

瀧川紅月(たきがわべにづき)

第一部のメインヒロイン。
大室姉弟の幼馴染。
七人しか在籍していない特別科クラスに唯一の一年生として所属している。生徒会庶務兼任。16歳。
男勝りで、非常に野蛮な言動が目立つ。その反面、緊急事態でも冷静に対処するだけの胆力と機知を持ち合わせている。

シンボル:ハンドベル
第一のコンプレックス:『太陽の塔』
 能力の範囲内にある最も速度の速い物体を爆破する。このとき、能力の対象には能力者自身も含まれる。
第二のコンプレックス:『明日の神話』
 能力の範囲内にある一定の速度の超えたすべての物体を爆破する。この一定の速度はスペクトルによって設定される。

大室綴(おおむろつづり)

銀太の姉。紅月にとっても姉貴分である。
国立光文学園高等部二年十二組(芸術科クラス)所属。17歳。
自分にも他人にも甘く、銀太と紅月の二人を溺愛している。
一人称が「お姉ちゃん」。
文学に精通しており、編纂者を志している。

シンボル:豆本
コンプレックス:『バベルの図書館』
 シンボルの豆本は無限の頁を持ち、際限なく情報を書き込める。文章の記入・消去は念写により行う。このコンプレックスはあくまで「無限に情報を記録する」能力であり、「頁を入れ替えて情報を整理する」能力はない。

埜切秋姫(のぎりあきひめ)

綴のクラスメートであり、親友。銀太とは初めて会ったときから友達以上、恋人未満の関係。
国立光文学園高等部二年十二組(芸術科クラス)所属。16歳。
気弱な性格であり、自分の意見をなかなか出せない。この性格は自分のコンプレックスが他人のものよりも実用性に欠けることと無関係ではない。
癖毛を気にしており、外出するときは必ず帽子を被る。そのために帽子集めも趣味になっている。

シンボル:???
コンプレックス:『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
 手で触れた小さな傷を塞ぐ。

須磨楓子(すまかえでこ)

紅月のもう一人の親友。
国立光文学園高等部一年六組所属。16歳。
紅月の「唯一」の親友を名乗っているため、銀太とは犬猿の仲。
高飛車で傲慢だが、これは自分の実力への自信の表れである。実際に普通科クラスの中ではトップクラスの成績を誇る。
学園封鎖後はショッピングモールにて幹部の一人になっている。

シンボル:皮手袋
コンプレックス:『茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)』
 シンボルをつけた拳で殴られた人間はその部位を認識できなくなる。攻撃された部位は透明に見え、同時にその機能も失う。

守門恒明(しゅもんつねあき)

七人いる特別科クラスの一人。生徒会書記兼任。学年は二学年に当たる。17歳。
綴に一目惚れして以来、告白を繰り返している。そのために銀太からは目の仇にされている。
お坊ちゃんであり、物腰が柔らかい反面、ナルシストな言動が目立つ。しかし特別科クラスに所属している以上、頭脳や戦闘の実力は折り紙つき。

シンボル:金平糖
コンプレックス:『重力の虹』
 空中に浮いている物体を垂直に落下させる。このときの落下の速度は少なからず銃弾の速度を超える。

常盤七星(ときわななほし)

特別科クラスの一人。生徒会会計兼任。学年は三学年に当たる。18歳。
紅月と同様、生徒会の義務を放棄しているため、クラスメートからは問題児として見られている。
学園封鎖とともにショッピングモールを制圧し、ここに篭城する。その後ショッピングモールの管理人として、学園内の物資と人材を独占している。

シンボル:注射器
コンプレックス:『美しき水車小屋の娘』
 自分の血液を混ぜた液体を操る。このとき、必要な血液の量は操る液体の体積に比例する。そのため、自分が貧血になるほどの量の液体は操ることができない。

犬童影千代(いぬどうかげちよ)

ショッピングモールの幹部の一人。医療品や生活用品の管理を担っている。
国立光文学園高等部三年二組所属。18歳。
物腰の柔らかい好青年。しかし七星がショッピングモール内で唯一コンプレックスを把握していない人間でもある。そのため七星からは「油断のならない男」として見られている。

シンボル:水銀温度計
コンプレックス:『パルプ・フィクション』
 自分よりも高いところにいる生物の体温を上げ、自分よりも低いところにいる生物の体温を下げる。
 このときの変化率は能力者との上下の距離が離れているほど大きくなる。

赤藤梨音(あかふじりおん)

ショッピングモールの住人の一人。地下倉庫(監房として用いている)の管理を担っている。
国立光文学園高等部二年五組所属。17歳。
幹部ではないが、貴重なコンプレックスを持っているために同等の発言権を持つ。本人曰く、人を閉じ込めるのに適したコンプレックス。
間延びした口調のため、ややとろそうに見える。しかし七星や犬童への意見は鋭く、意外にも人をよく見ている。

シンボル:鍵
コンプレックス:『夏への扉』
 能力の範囲内にある、場所から場所を区切るもの(扉や窓など)に、可能な限り通行の妨害をさせる。
 具体的には、それらが固定されたように開きにくくなり、無理やりこじ開けても即座に閉まるようになる。

桑折良蔵(こおりりょうぞう)

特別科クラスの一人。生徒会会長兼任。学年は三学年に当たる。18歳。
精悍な顔つきをした巨漢。生徒会長という立場も相まって一般クラスの生徒たちから恐れられているが、クラスメート曰く、その性格は寛容。
互いに反目しがちな特別科クラスの人間には珍しく、クラスメートを家族だと考えている(特別科クラスから離反した紅月と七星も例外ではない)。生徒会長である自分はその家長だという自負がある。

シンボル:磁石
コンプレックス:『ペイント・イット・ブラック』
 シンボルを中心にして、同じ物質を集める。このときに物質が集まる速度は、その途中にあったものを破壊するほど速い。
 シンボルの磁石は同時に二個以上具現化することもできる。

立畑照葉(たてはたてりは)

特別科クラスの一人。生徒会副会長兼任。学年は三学年にあたる。17歳。
端正な顔立ちだが、男口調であり、傍若無人な態度が目立つ。
紅月と七星の死刑宣告の撤回を報告するために、銀太たちを訪ねてくる。
見た目に合わず、作中でも珍しい、武術を極めた武闘派。

技術:「炸空術」(さっくうじゅつ)
 手を打ち鳴らすことによって、空気を破裂させ、真空により対象を切断する。これはコンプレックスではなく、純粋な技術。銀太は剣術の系統に入る武術と見た。
シンボル:モノクル
コンプレックス:『鎖に繋がれた犬のダイナミズム』
 モノクルを嵌めた左目では、すべてのものが静止して見える。つまり能力者は左目で一瞬一瞬が止まった世界を見て、右目で流れている世界を見ていることになる。

清美一暁(きよみかずあき)

特別科クラスの一人。生徒会遊撃兼任。学年は三学年に当たる。18歳。
細身だが、非常な長身。髪型は常にオールバックにしている。
性格は慇懃で、馬鹿に思えるほど丁寧な口調で話す。
生徒会の職務を全うしようとしない紅月の交渉役を引き受ける。

シンボル:鎖帷子
コンプレックス:『私の名は赤』
 能力者に与えられるダメージ、もしくは能力者が与えるダメージの位置を別の場所に転移させる。

吾妻奈純(あずまなずみ)

特別科クラスの一人。生徒会遊撃兼任。学年は二学年に当たる。16歳。
緊急集会のさい、反抗的な態度を取った男子生徒二名を射殺する。
恒明からは「野蛮な性格」と評される。
生徒会の職務を全うしようとしない七星の交渉役を引き受ける。

シンボル:二丁の散弾銃
コンプレックス:『ライト・マイ・ファイア』

天目小桜(てんめこざくら)

ショッピングモールの住人の一人。光文学園一年普通科。15歳。
犬童をリーダーとした、七星に対する反勢力の一人でもある。
そのコンプレックスを使い、ショッピングモールの住人を暗殺する。
正体を暴かれたさい、仲間の情報を流して命乞いするが、七星に拒否され殺害される。

シンボル:拳銃
コンプレックス:『若きウェルテルの悩み』
 シンボルは驚いた人間に憑依する。その人間がもう一度驚いたとき、身体を乗っ取り、拳銃自殺させる。
 このとき、周りにいる人間の中で最も早く驚いた人間に改めて憑依する。

也則允彦(なりのりまさひこ)

ショッピングモールの住人の一人。光文学園三年六組所属。
ショッピングモールの反勢力チームの一人でもある。
プロレス同好会会長。
銀太はその戦闘能力を高く買ったが、紅月は「馬鹿」と一蹴した。

シンボル:プロレスマスク
コンプレックス:『ボーン・トゥ・ラン』
 身体に触れたものを吸着する。
 格闘技の固め技はほとんどの場合、抜け出す技術も見つけられている。しかしこの能力と組み合わせれば、相性の悪いコンプレックスを持っていない限り、抜け出すことは不可能になる。

毒島慈(ぶすじまめぐむ)

ショッピングモールの住人の一人。光文学園一年八組所属。銀太とはクラスメートである。16歳。
ショッピングモールの反勢力チームの一人。
醜男であり、女性に恨みを持っている。しかし銀太は見た目以上に卑屈な性格に問題があると言っている。

シンボル:???
コンプレックス:『目=気球』
 自分に対して嫌悪した人間の大腸にサナダムシのように寄生する。
 能力者は寄生主から少しずつ栄養を奪い、三日ほどで死に至らしめる。そのあいだ、人質を取っている状態にもなる。

一重柳子(ひとえりゅうこ)

ショッピングモールの住人の一人。
ショッピングモールの反勢力チームの一人でもある。
殲滅戦が始まってからも、自分のコンプレックスを使って周りの人間を欺き、フードコートでくつろいでいた。
身なりを異様に気にし、学園封鎖の中でも衣服の手入れをかかさない。

シンボル:メモ帳
コンプレックス:『ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー』
 メモ帳を読んだ人間は、そこに書かれた言葉を言うことができなくなる。その言葉を言おうとした場合、言い間違えるようになる。このとき、その人間は自分が別の言葉を言っていることに気がつかない。

八木沼篤(やぎぬまあつし)

ショッピングモールの住人の一人。
ショッピングモールの反勢力チームの一人でもある。
殲滅戦が始まると同時にショッピングモールから脱出を試みるが、赤藤の『夏への扉』の能力を知らなかったために自動ドアに挟まれ、身動きが取れなくなる。
その後、楓子により自動ドアから引きずり出される。楓子に奇襲をかけるも、『茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)』によって返り討ちにされる。
コンプレックスを保持しているが、詳細は不明。

時谷圭吾(ときやけいご)

ショッピングモールの住人の一人。
ショッピングモールの反勢力チームの一人でもある。
赤藤の『夏への扉』により、眼鏡屋に閉じ込められる。そのため、そもそも殲滅戦が始まったことを知らなかった。
銀太の能力で眼鏡屋から救出されるが、同時にその場にいた七星から死刑宣告を受ける。命乞いをするが、七星に拒絶され首を刎ねられる。
コンプレックスを保持しているが、詳細は不明。

殺人犯

第一部のラスボス。
生徒会暗殺。
大室綴、守門恒明、常盤七星、犬童影千代を殺害した。

シンボル:バタフライナイフ
第一のコンプレックス:『フルメタル・ジャケット』
 シンボルでつけた傷を自由に開閉する。この能力は生物にも無生物にも有効。
第二のコンプレックス:『地獄の黙示録』
 シンボルでつけた傷を自由に移動させる。このときの移動速度は人間が全速力で走るよりも速い。

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小説情報

頭狂ファナティックス

玉置棕櫚  tomorrow3

執筆状況
連載中
エピソード
234話
種類
チャットノベル
ジャンル
現代アクション
タグ
バトル, 変則バトル, 理詰めバトル, 異能バトル, 頭脳戦, デス・ゲーム, 政治, 権力争い, 弁論戦, 内ゲバ
総文字数
694,850文字
公開日
2017年12月03日 20:34
最終更新日
2021年06月11日 11:20
ファンレター数
0