渋沢栄一暗殺男
渋沢栄一暗殺を請け負った男の“しくじり”伝。
時は明治。西南戦争が終わりいよいよ武士道精神の火が消えかかった頃、侍崩れの中年・花村幹二朗は「武士として最後の花を咲かせたい」との野望を胸に、元官僚・篠部竜央の依頼を受けて「渋沢栄一暗殺」の使命を帯びる。篠部は渋沢が大なたをふるった人事整理により東京商工会議所の役職の任を解かれ、地位も財産も失った、いわば渋沢に恨みを持つ男であった。
自分の価値を知るもののために命を捨てるのもまた武士。悲壮な決意を胸に刀を抜いた幹二朗だったが、刃先を濡らした血は渋沢ではなく別人のもの。おろかにも人違いで罪のない平民を斬ってしまったのだ!
幹二朗が手にかけたのは、足袋屋を営む商人・豊田銀平。その息子・房之助は父の仇を討たんと下手人の追跡を独自に開始する。彼が頼ったのは、親交のある陰陽師・霞屋雀心。陰陽師の能力を使って父殺しの下手人をあぶりだそうとの狙いだったが、雀心に妖術の力は備わっていなかった。陰陽師とは看板ばかりで、家系図を改ざんして自分たちは由緒ある妖術使いだと偽り、怨霊を怖れる庶民から金を巻き上げる詐欺師であった。
霞屋はお仲間の老探偵を使って銀平殺しの下手人を捜すが、これまた適当な調査で見当違いの人物を下手人にして房之助に報告してしまい、房之助は誤った人物を犯人と思い込み付け狙うようになる。そんなゴタゴタした動きの傍で性懲りもなく渋沢暗殺を狙う幹二朗、彼の前に昔なじみの元芸妓・河島緑が現れ、武士道をとるか愛をとるかで迷うようになり……。
一度もつれた糸はどんどん複雑にもつれてゆき、幹二朗たちをおかしな方向へ連れて行くのだった……。
目次
連載中 全16話
2022年02月26日 21:14 更新
- 第1話「決意」2022年01月30日
- 第2話「おれは輝きたい」2022年01月30日
- 第3話「痛恨のしくじり」2022年01月30日
- 第4話「恥じて生きるを選ぶ」2022年02月01日
- 第5話「父の仇を討つ」2022年02月01日
- 第6話「陰陽師・霞屋雀心」2022年02月01日
- 第7話「霞の妖術使い」2022年02月04日
- 第8話「霞屋の秘密」2022年02月04日
- 第9話「渋沢の女」2022年02月04日
- 第10話「再会」2022年02月09日
- 第11話「語れぬ境遇」2022年02月11日
- 第12話「三角関係」2022年02月16日
- 第13話「渋沢妾計画」2022年02月15日
- 第14話「曲折」2022年02月15日
- 第15話「忠孝の炎」2022年02月20日
- 第16話「迷妄」2022年02月26日
登場人物
登場人物が未設定です
ファンレター
ファンレターはありません
小説情報
渋沢栄一暗殺男
- 執筆状況
- 連載中
- エピソード
- 16話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- 歴史
- タグ
- 歴史, 男主人公
- 総文字数
- 15,276文字
- 公開日
- 2022年01月30日 12:31
- 最終更新日
- 2022年02月26日 21:14
- ファンレター数
- 0