カミノ、シマ

作者 根本起男

[歴史]

5

7,339

0件のファンレター

ディーン・クーンツやジェームズ・ロリンズ的な冒険ホラーサスペンスであります。
拙作「引き金」へつながるヒントが盛り込まれた「引き金 エピソード・ゼロ」にもなっています。
皆さまのお時間を少々頂戴し、お読みいただければ幸いです。

 2018年9月、新聞記者の大木が逮捕された。老舗蕎麦屋に押し入り店主を殺害したのだ。大木は、ナミという女に頼まれてあるものを取り返そうとしたが、見つからなかったと供述する。ナミは「あと6日しかない」と現場に同行したというが、防犯カメラには大木しか映っていなかった。翌日、大木が留置場で変死する。体内にあふれた大量の液体による“溺死”で、成分は海水に近かった。真相解明に乗りだしたデスクの佐良は、大木の龍ヶ島出張に注目する。玄界灘の孤島で3世紀以降、謎の祭祀が続いていたが、半世紀前の海流異変で誰も訪れなくなっていた。だが沖ノ島の世界遺産登録を受け、龍ヶ島を崇める長崎・棟尾大社が登録運動を開始。大木の出張もそのためのメディアツアーだった。
 佐良は家庭に悩みを抱えていた。娘の志津にお受験させようとする妻に反感をおぼえていたのだ。山形から上京してきた親戚の要次おじさんにそれを打ち明けると、味方になると言われる。気を良くした佐良は、つい大木の事件のことを口にし、殺された店主がかつて棟尾の製麺所に勤めており、同僚だった銀治という親友から“お宝”を譲り受けていたことを話してしまう。大木はそれを奪おうとしていたようだった。
 好奇心旺盛な要次は、自ら図書館に向かい、半世紀前に銀治が参加した龍ヶ島での学術調査に同行した学者がいまも佐世保の大学にいることをつかむ。それを聞いた佐良は佐世保に飛ぶ。大木を取り調べた刑事やその友人が相次いで“溺死”していたからだ。佐良は、女性准教授の中井から、祭祀の起源となる3世紀の出来事が一連の事件にかかわっていると教えられる。島での出来事を口外してはならぬという“御言わず”の戒めに反し、大木や刑事たちがなにか重要な秘密を次々と漏らしてしまった――。そう推理した佐良と中井は、大社に収蔵される古文書に答えがあるとみて、かつて大社で巫女をしていたミチの手引きで棟尾大社に潜入し、古文書にたどり着く。

佐良仁 さがら・じん(46)東邦新聞文化部デスク
大木秀樹 おおき・ひでき(45)文化部主任
野見洋一 のみ・よういち(52)文化部長
小野純也 おの・じゅんや(52)広報部長
ナミ   大木の恋人
福元祥生 ふくもと・さちお(75)蕎麦店主
福元一生 ふくもと・かずお(50)祥生の息子
桝居完司 ますい・かんじ(46)高輪署刑事
森本霧子 もりもと・きりこ 蕎麦店元従業員
梅岡淳一郎 うめおか・じゅんいちろう(46)ソープランド従業員
貴島汐海 きじま・しおみ……アルバイト
石間柿夫 いしま・かきお(49)僧侶見習い
佐良陽子 さがら・ようこ(43)仁の妻
佐良志津 さがら・しず(6)仁の娘
中井加奈 なかい・かな(35)長崎海洋大准教授
浦崎ミチ うらさき・みち(30)洋食屋店員
蓮原要次 はすはら・ようじ(72)陽子のおじ

登場人物

登場人物が未設定です

ファンレター

ファンレターはありません

小説情報

カミノ、シマ

根本起男  koji3086

執筆状況
完結
エピソード
9話
種類
一般小説
ジャンル
歴史
タグ
古代史スリラー, イヤミス, 世界遺産, 掟, 呪い, ホラーミステリー, 【骨太小説】
総文字数
227,019文字
公開日
2019年07月25日 23:33
最終更新日
2019年07月25日 23:54
ファンレター数
0