セリフ詳細

華麗に流されたこころもち。

そう、「件」。読んで字のごとく、牛の体に人がついている。件の特徴的なところは的中率が100%なことだ。アマビエ様やアマビコ様の的中率はよくわからないが、件は必ずあたると言われている。だから、江戸後期の証文には件にあやかって「如件」とつけると言われた。件のように100%真実であるという宣言。

ただまあ「如件」という言葉は昔からあって、上記のような意味付けがされるのは件の目撃例が出始めた江戸末期からだ。そのまえは例えば上の立場から下の立場の人に書く手紙にはしばしば見られた。

御教書(みぎょうしょ)では「仍執達如件」っていう定型文が使われていたし、下知状でも「下知如件」というのが定型文。御教書っていうのは平安から室町時代あたりに作成された文書で、三位以上の公家や将軍が家人に命じて出した命令や業務文書で、その「うちの主人がこのように言っています」という〆言葉だ。下知状は御教書のワンランク下。昔からある「草々」とか「敬具」的な言葉に妖怪的な意味を持たせるのは興味深いな。

作品タイトル:【本編未読OK】君と僕らの備忘録

エピソード名:「べとべとさん」と足にまつわる妖怪

作者名:Tempp  Temppp

22|日記・個人ブログ|連載中|45話|175,539文字

作品解説, 建築, ミステリー, 宇宙, 妖怪, 都市伝説, 文学, 死体, 法律, 宗教

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【本編未読OK】
一般小説で書いてる作品に出て来た用語等を独断と偏見で解説するチャットノベルです。
単独でも内容がわかるようにしているつもりです(一部の次回予告除く?)。
以下、主なUP記事(未公開含む)
・ 擬洋風建築はロマン砲
・ ブードゥー教とゾンビ映画
・「魂と魄」、キョンシーと道教
・ 口裂け女は現代日本で生きていけるか
・ 神社合祀と伝承の断絶
・ ヘビ毒とヘビの生態、その他の動物毒
・文系でもわかる(といいな)、ビッグバンと多次元宇宙論とか

【修正】字句等については適宜。
10/26 カテゴリかミステリーになっていたので、日記に修正。その他とかの方がいいのかな、よくわからないな。