学級左遷会議

[ミステリー]

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中学に入って2回目の夏休みが終わった。

休日気分が抜けない中、始業式で校長が発した一言が体育館に衝撃と緊張をもたらした。

その内容は、『毎週金曜日、クラスで最も不要な生徒を投票する』というもの。クラスの民意によって選ばれてしまった生徒は、そのクラスから消されてしまう。これは、クラスが良くなるまで続いていく。

クラス中が困惑する空気の中、主人公の柚季も例外ではなかった。予想だにしない発表にクラスは騒然とするが、クラスメートに興味がない柚季にとってはどうでもよかった。むしろクラスが良くなって都合がいいとさえも思っていた。

しかし無情にも毎週1人ずつ左遷されだすと、『次は自分なのではないか』という恐怖を感じるようになる。

藍美は柚季の唯一の親友で、いつも2人で一緒にいる仲だ。たまたま2人で遊びに行ったゲームセンターで聡と打ち解けるのをきっかけに、クラスメートのことを次々と理解していく。そしてクラスのことが段々と好きになっていく。

しかしクラスに馴染んできたこととは逆説的に、毎週1人ずつ左遷されていくルールは変わらない。柚季たちは左遷されるのを恐れ、クラスの中で目立たないようにしようという意識になってしまっていた。さらには、真面目な委員長である善行や、いつも同調ばかりするギャルの春海が、票を不正に集める裏工作をしていることが判明する。話を聞いていくと、それまで気付きもしなかったクラス内に蔓延る『嫉妬』や『嫌悪』を目の当たりにする。特に春海は、同じようにクラスで目立つ夏実とは唯一無二の仲だった。そんな親友に対しても平気で裏切る春海を見て、クラス全体に対して不信感を持つようになる。

不穏な空気に耐え難くなってきたとき、このゲームがいつ終わるのかという疑問に辿り着く。主催者を探し出して自分たちの考えを主張すれば、このゲームは終わるのではないか。そんな淡い期待を持ち始める。

そこでクラスで絶大な権力を持つ佑太郎や善行たちとともに立ち上がり、クラス一丸となってこのゲームを止めさせようと目論む。「果たしてこのゲームを続ける必要があるのか?」そもそもこのゲームの主催者が一体誰なのかを突き止める必要もある。まずはクラスの意思統一を図るため、夕暮れの放課後に『学級左遷会議』が開かれるー

この会議で、各々が抱えている気持ちをぶつけ合う。担任の大澤先生が生徒たちの思いを受け取ったところで、教育研修センターの白井という謎の男が登場する。話を聞いていくと、どうやら彼はこのゲームの主催者らしい。

このゲームの目的は一体何だったのか。そして彼らに何を伝えたかったのか。その全貌が明らかになる。

登場人物

登場人物が未設定です

ファンレター

一気に最後まで読んでしまいました

 初めまして。  面白くて読むのを止められませんでした。荒唐無稽とも思えるシチュエーションに引きずり込まれてしまったが最後……でした。 情け容赦ないクラスの暗部、毎回の「次は誰だ、どうなるんだ」の推理小説的興味も圧巻ですが、追い詰められた状況下での青春的な純粋さも魅力でした。う~ん、凄いなあの一言です。楽しませていただきました。

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小説情報

学級左遷会議

七夕するめ  77SURUME

執筆状況
完結
エピソード
31話
種類
一般小説
ジャンル
ミステリー
タグ
友情, 学校, 裏切り, 青春, ドラマ, 駆け引き, LINEノベル
総文字数
84,051文字
公開日
2022年01月10日 19:38
最終更新日
2022年01月10日 19:54
ファンレター数
1