セリフ詳細

エーゲ海の一国で、ソクラテスがプラトンの書によって伝えられたように、中央アジアの一国にも経典によって後世に伝わる話がある。

アジアのそれは、かなりシュールだ。


コーサラ国王のパセーナディが宮殿の中でマリッカ夫人と交わした会話──

「私は、自分より愛しい人はございません。あなたはどうですか」

「うん。わしも、自分以外に愛する者はおらん」


といって、二人は、ケンカしているわけではない。

二人ともに、それを認め合っているのだ。

人間は、自分しか愛せない。この事実を、厳粛に承認した上で、よろしくやっていたという話だ。

作品タイトル:ペシミスティック・サロン

エピソード名:第4話 恋愛について #3

作者名:かめ  soyogo0305

35|社会・思想|完結|7話|11,469文字

考え方, ものの見方, 恋愛, 創作

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「対話」のみの文を書こうとしていたのですが、だったらチャットノベルにチャレンジしてみるか、となりました。
内容は、考え方・ものの見方、思想的なものになると思います。