ラデュースの窓辺から
女(三十五歳、プログラマー、独身)、そして三人の男たち
聞くところによると、女性にとって最も魅力的な年代とも言われているらしい三十代前半を(だれがそんなこと言ってるの?)、私は仕事と読書と美術館めぐりと映画鑑賞と、小さな恋愛ひとつで終えた。このところ、なんというか、「折り返し感」とでも呼ぶべき軽い鬱状態で過ごしている。そろそろメスが放つ生理活性物質にオスが反応しなくなってきていることを、折々に感じさせられる。美醜いずれにも振り分けられない中くらいの私は、人並みに恋愛もして結婚という話が出たこともあったけれど、この二年ほど急に浮いた話がなくなった。もしかして逸したかな?…との疑いがそろそろと頭をもたげてくる。慌てて首を横に振り、そんな物思いを追い払う。いっそアパートの皆様にお願いしてみようかしら――毎度お騒がせいたします、お嫁のもらい手はありませんか?
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小説情報
ラデュースの窓辺から
- 執筆状況
- 完結
- エピソード
- 9話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- 恋愛・ラブコメ
- タグ
- 恋愛, 独身女性, 大人の恋
- 総文字数
- 152,535文字
- 公開日
- 2020年04月03日 03:05
- 最終更新日
- 2020年04月18日 00:30
- ファンレター数
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