クジラのかみさま
あの日、世界はぜんぶを壊されて––––白紙に返された。
あるものは炎が降ったと言い、あるものは氷が侵蝕したと言う。
地を揺るがす振動がすべてを砕いたのだとも、天を衝くほど高い波がすべてを拭い去ったのだとも、言い伝えられるはさまざまだが、その真相を知るものはいない。
瓦礫の世界を進みゆくふたり連れ。
ラクガキを現実に換える魔女と、神の子と呼ばれた青年の、旅の途中の物語。
※「カクヨム」にも掲載しております。
目次
完結 全1話
2020年03月25日 19:32 更新
登場人物
短編小説『クジラのかみさま』のメインヒロイン。人間ではないようだが、作中にてその正体が明かされることはない。
**外見
***容姿・体型
-ライトグレーの目は曇りガラスの印象。
-真白い髪は膝裏へ届くほどに長く、波立つような癖がある。髪質は絹糸のように細く滑らか。
-日焼けを知らない白い肌。感情が高ぶっても色づくことはない。手脚は細く、体格は華奢。
-実年齢は自分でも覚えていないが、外見はローティーンの少女の姿である。
-灰色の猫のような耳が、人間と同じ位置に付いており、感情に合わせて上がり下がりする。
-時折、魔法を発動する際など背に白翼が顕現することがある。実体を持つ翼だが、空を飛ぶことはできない。
***服装・持ち物
-白く簡素なワンピースの上に、色褪せたフード付きの外套を纏っている。
-靴は履いておらず、裸足。装飾品の類も一切身につけていない。
-羽ペンと丸ペンを一つずつと、三日月を模した碧緑の竪琴を所持している。
***口調
-一人称は「私」。
-相手のことは「◯◯さま」「◯◯ちゃ」「あなた」など。自分好みの愛称をつけて、それで呼ぶことが多い。
-口調は敬語に近い舌ったらずな「ですます」調。アクセントがおかしく子供っぽい喋り方が特徴。
***幻夢の魔法について
-真白の持つ、描いた絵を具象化する能力の通称。発動時に使う魔力により、一定時間で消えるものから永続性のあるものまで作れるが、その本質は幻であるため、実質をともなう効力はない。
-つまり、食べ物や飲み物を作り出したところで、味わうことはできても水分や栄養分を摂り入れることはできない。
短編小説『クジラのかみさま』のメインキャラ。人間でありながら不死性と治癒能力を持ち、世界の終焉を生き延びた。本作では真白の旅仲間として登場する。
**外見
***容姿・体型
-碧い目は宝石のように濁りがなく、終始穏やか。
-癖がない白髪を肩より下くらいにまで伸ばし、後ろで一括りにしている。髪型にこだわりがあるわけではない。
-日焼けも傷痕もない白磁の肌。気持ちが昂ぶると赤くなるなど、人間らしい変化はある。
-背は高めで、華奢ではあるが病的ではない。姿勢が良く、言動も落ち着いている。
-実年齢は数えることをやめたため覚えていないが、外見は20歳前後の青年に見える。人外的な特徴はない。
***服装、持ち物
-袖の短いチュニックと、丈夫な生地のスラックス。色褪せたフード付きの外套を纏っている。
-革を編んだブーツを履いており、装飾品の類は身につけていない。
-飲み水と保存食、着替えを幾らかと、最低限の日用品を所持している。武器や防具は身につけていない。
***口調・性格
-一人称は「私」。
-相手のことは「貴方」「◯◯さん」と呼ぶ。
-口調は丁寧で柔らかな敬語調。相手の年齢や身分に関係なく、同じように接する。
-優しく思いやり深く、慈善の精神が強い。見返りを求めず救いを与えようとするのは、生まれ育ちゆえに培われた気質であり、今の彼にとっては生きる意味でもある。
***背景
-両親はごく普通の人間。生まれつき不死性と治癒能力を持っていたため、「神の子」と呼ばれて人々を無償で治療していた。
-故郷から離れた場所で「世界の終焉」に遭遇し、やっとの思いで帰り着いた故郷にて両親の死亡を確認する。その後ずっと同じ場所で砂に埋もれたまま、生きることも死ぬことも放棄していた。
***不死性と治癒能力について
-不老であり、不死である。病にかかることはなく、傷を負っても即座に自然治癒してしまう。
-生身ではあるが、食べ物や水を摂取できなくても消耗することはない。空腹感は感じる。
-無条件に代償なしで病や傷を治療できる。病の種類や重篤さ、傷の深さや損傷の程度も関係ない。ただし、死人を蘇らせることは不可能。