揺蕩う有毒性偏愛論

[現代ドラマ・社会派]

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『雅、俺のこと愛してる?』
 そう問い掛ける相手は、生死の狭間を彷徨っていた。

 ─​───────

 伊瀬雅は、兄の住むアパートに、半ば居候として暮らしている。
 通う高校が近いからという理由で、親を説得して実家から転がり込んできていた。
 しかし、本当の理由は別にある──。
 
 夜の十時過ぎ。
 風呂上がりの雅がリビングへ向かうと、今日もまた、いつもと同じようにスマートフォンの通知音が鳴った。
 そろそろ来る頃だと予想していた。
 チャットアプリを立ち上げて、『夜宵』とのトークを開く。
 
『雅』
『ねぇ、』
『無視しないで』
 数分と経たない勢いで、コメントが並んでいる。
 一番下の文章は、
『連絡くれないなら死ぬから』
 その次に目にしたのは、幾重にも刻まれた手首の傷。

 また一つ、増えていた。

 静止画像に残されている滲む赤は、鮮やかに零れ落ちそうだった
 その全てに動じることはなかった。
 昨日までは──。
 
 ─​───────

 夜宵は雅に執心している。
 それは、中学生の頃。
 二人の間に起きたとある出来事が切っ掛けだった。

 手首に刻むようになったのもその頃から。

 だから、いつものこと。
 その日も、いつものように返事をしていた。

 しかし、夜宵の元へ向かって目にしたものは──。

 病室で意識が戻らない身体から、魂だけが抜け出して雅の元へとやってきた。

 その日から、不可解な出来事と共に、雅へ好意を寄せる者や、新たな関係者が次々と不幸に見舞われる事件や事故が勃発する。


※軽微なホラー要素があります。
※各セルフレイティングを設定しております。
※登場人物のイラストは全てピツメーカー様を使用しております。

登場人物

伊瀬 雅


・17歳/180センチ

・髪はオレンジ色に染め、前髪を上げている。

・整った顔立ちをしているが、目つきは鋭く強面の印象を持たれることが多い。

・夜宵(後述)の幼馴染であり、とある出来事を境に恋人として付き合っている。

・幽霊になった夜宵の姿を唯一見ることが出来る。

・兄の住むマンションに転がり込み、同居している。

胡乃羽 夜宵


・17歳/173センチ

・柔らかい印象の好青年。

・元々は黒色の髪と瞳だが、幽霊の姿ではどちらも色素を失い淡い銀色に変わった。

・過去の出来事から、雅に対して異常なまでの執着を見せ、深い愛を示してきた。

・雅に近付く人間は、彼の兄以外許せない過激な性格。

・自殺未遂により病院で意識不明となるが、そのまま幽霊へ変貌を遂げる。

|死神《しにがみ》


・?歳/?センチ

・夜宵の死を暗示させるために現れた。

・派手な紫色の髪と、黒い瞳を持つ。

・血の気はなく、瞳孔が開いて目の下に隈がある。

・一切笑わない。

・夜宵には見えるが、雅には見えない。

・夜宵の未練があまりに強いため、生命を刈り取ることが出来ずに暫く彼の傍を漂っている。

伊瀬 恵都


・二十五歳/一八二センチ

・雅の実兄。

・昼間はウェイターとして、夕方はバーテンダーとして働いている。

・雅が通う高校の近くに建つマンションに暮らしている。後に雅が転がり込んで同居。

・顔立ちは雅と似ているが、雅とは対照的にとても穏やかで優形な印象を受ける。

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小説情報

揺蕩う有毒性偏愛論

朝靄ネル/枢  Neru_Asamoya

執筆状況
連載中
エピソード
13話
種類
一般小説
ジャンル
現代ドラマ・社会派
タグ
男子高校生, ブロマンス, シリアス, 残酷描写
総文字数
36,568文字
公開日
2024年07月10日 17:44
最終更新日
2024年07月23日 16:43
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