幻想帝国の黒い聖女

作者 犀川俊

[ファンタジー]

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  十九世紀末、ドイツ帝国。
 
 蒸気によって動く巨大な解析機関の発達で、科学と自動機械の技術は異形の進化を遂げた。産業機械と解析機関から吐き出される黒い煙は空を覆い尽くし、昼間も太陽が地面を照らすことはない。
 
 闇が、現実の世界と異界との境界を徐々に曖昧にしていったのか。それとも科学の発達では決して幸せにはなれない事に誰もが気づいて、かえって人々を蒙昧にしてしまったからであろうか。やがて彼らの夢想や情念が意識から溢れ出るかのように、奇怪な現象が空気の淀んだベルリンで起こり始めた。
 
 十九世紀の半ばから現れ始めた妖精や怪物の中で、特に人間に害を成すものを人々は『冥きもの』と呼んだ。その『冥きもの』の研究、及び退治のために創設された帝国の超法規宗教機関を『薄明』という。
 
 その薄明に集められたカトリック、プロテスタント、あるいは無神論者の者達で特に退魔専門の者達は戦闘修道士と名乗り、ドイツはおろか、ヨーロッパを股にかけて跋扈するようになったが、ドイツ帝国の国民も、また外国人達も、誰も彼らをその名で呼ぶことはなかった。
 
 人々は彼らをその特異な能力と喪服を思わせる黒装束から、黒い聖者。
 または『帝国の黒い聖者』と呼ぶ。

 聖書ラノベ新人賞2応募作品
※ドイツ帝国を舞台に200年の時を経た吸血鬼の姉妹が争うスチームパンク伝奇アクション(のつもり)です。
他の賞に一度送った作品なので完結していますが、後半は大幅に加筆修正したいので徐々に更新が遅れると思います。ご了承ください。

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小説情報

幻想帝国の黒い聖女

犀川俊  saikawa

執筆状況
連載中
エピソード
3話
種類
一般小説
ジャンル
ファンタジー
タグ
聖書ラノベ新人賞2
総文字数
25,529文字
公開日
2018年10月30日 23:57
最終更新日
2018年11月01日 00:10
ファンレター数
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