サイキック(超・本格推理小説)
読者の推理力と第六感に挑戦する超感覚ミステリイ。
「手を触れずにスプーンを曲げることができるのなら、人の心臓の血管を捻じ曲げることなど容易だとは思わないか?」
2018年某月、新興宗教団体「コスモエナジー救世会」のウェブサイトで予告された人物が、続けて謎の急性心不全で死亡する事件が発生した。
唯一、命を落とさなかった人物は予告後に団体に多額の寄付をしていたことから、警察は計画的な連続殺人事件および恐喝事件と判断する。
しかし、薬物などを用いず、一切の証拠を残さず人を死に至らしめることは可能なのか?そして次に死を予告された人物は内閣総理大臣!その期限はわずか1週間。手詰まりの警察は、特殊犯罪捜査の専門機関であるS.S.R.I(超科学捜査研究所)に捜査協力を依頼した。はたして「コスモエナジー救世会」教主・東心悟は思考するだけで人を殺すことができるサイキックなのか?
目次
完結 全41話
2020年08月30日 19:05 更新
- プロローグ2020年08月19日
- コスモエナジー救世会事件2020年08月21日
- S.S.R.I 捜査に乗り出す2020年08月19日
- コスモエナジー救世会本部2020年08月20日
- 教主・東心悟2020年08月20日
- 超能力少年44年目の再会2020年08月20日
- 取調室にて2020年08月20日
- サトリ2020年08月20日
- S.S.R.I 本部2020年08月20日
- ★幕間のご挨拶★2020年08月20日
- サイキックチーム出動2020年08月21日
- 植山千里への聞き込み2020年08月21日
- 怪物 対 怪物 12020年08月21日
- 怪物 対 怪物 22020年08月21日
- 御影探偵事務所2020年08月22日
- 真奈美の朝2020年08月22日
- 防犯カメラの映像2020年08月22日
- 東心悟の来訪2020年08月24日
- 狂乱のナイフとサイコキネシス2020年08月24日
- 何を見落としているのか?2020年08月24日
- 御影純一の念動力レクチャー2020年08月25日
- 内閣調査室からの訪問者2020年08月25日
- ミスディレクション2020年08月25日
- 脳量子力学研究所2020年08月26日
- 鉛管と頭部模型2020年08月26日
- 謎は解けた!2020年08月26日
- ★読者への挑戦★2020年08月26日
- その日の午後2020年08月27日
- 何がミスディレクションだったのか?2020年08月27日
- 受け入れ難い想像2020年08月27日
- 予告の日の朝がやってきた2020年08月28日
- もはや頼れる者は居ない2020年08月28日
- その時がやってきた2020年08月28日
- 宇宙の意思2020年08月28日
- 宮下真奈美の推理2020年08月29日
- 怪物の素顔2020年08月29日
- 答え合わせ2020年08月29日
- どう始末をつける?2020年08月29日
- 幻のように2020年08月30日
- ひとつめのエピローグ コスモエナジー救世会事件2020年08月30日
- もうひとつのエピローグ 1975年の事件2020年08月30日
登場人物
宮下真奈美(みやしたまなみ)
超科学捜査研究所=S.S.R.I所員。他人の思考が読める「サトリ」の能力を持つサイキック。
ドラマ「科捜研の女」の沢口靖子に憧れて科学捜査研究所の求人に応募するも、この能力ゆえに不本意にもS.S.R.Iなる秘密部署に配属されてしまった。
男性の下心まで見えてしまうため恋愛が出来ないのが密かな悩み。
田村貴仁(たむらたかひと)
超科学捜査研究所=S.S.R.I所長。現在は閑職に甘んじているが、かつて某宗教団体による毒ガステロ事件の際、サイキックチームを率いて事件を解決に導いた実績を持つ。S.S.R.Iは警察の通常捜査や科捜研の科学捜査技術では手に負えない特殊な事件を秘密裡に捜査・解決する表向きは存在しない組織である。
山科一郎(やましないちろう)
捜査一課の中年警部補。昔気質の地道な捜査で多くの事件を解決してきたベテラン刑事。怪力乱神を語らずが信条だが「コスモエナジー救世会事件」が通常捜査では手に負えない不可能犯罪であると判断すると、S.S.R.Iに捜査協力を依頼するあたり、けっして石頭ではない。
御影純一(みかげじゅんいち)
かつて驚異の超能力少年としてマスコミの寵児となった稀代のサイキック。その能力は底が知れない。表の職業は私立探偵であるがそちらの実入りが少ないためパチンコとマージャンで稼いでいる。
異常に若く見えるが田村と同年齢。
福成欣也(ふくなりきんや)
「コスモエナジー救世会事件」において、死を予告されながらも生き延びた初めての人物。IT産業の寵児として若くして日本屈指の資産家に登り詰めた、ハッピーヘブン株式会社の社長。
東心悟(とうしんさとる)
コスモエナジー救世会・教主。元証券会社の社員だが、40歳を過ぎて突然「宇宙の声」が聞こえるようになり、投資で巨額の資産を築き上げる。その資産を元にコスモエナジー救世会を立ち上げた。真奈美の能力をもってしても思考を読むことができない底知れぬ人物であるが、息子の学に対しては非常に子煩悩な一面を見せる。
東心学(とうしんまなぶ)
東心悟と別れた妻である植山千里の間に生まれた8歳の長男。親権は悟が取得した。ゲームとアニメに夢中なごく普通の小学生だが、いつも一人で遊んでいるあたり孤独な影がうかがえる。
植山千里(うえやまちさと)
東心悟の元妻で学の母親。40歳を過ぎて「怪物」と化した悟を恐れ離婚したが、親権を奪われた学が悟とともにいるのは危険であるため、悟が逮捕されることを望んでいると真奈美たちに訴える。
真壁俊太郎(まかべしゅんたろう)
T大学の研究者で医学と物理学と心理学の博士号を持つ。1970年代には「超心理学研究室」に所属し、御影や田村たち超能力少年を研究していた。現在はかなりの高齢者だが「脳量子力学研究所」という名称で研究を継続している。日本における超能力研究の第一人者。
冨井春義(とみいはるよし)
作者。幕間に度々登場する。この小説を執筆したのは身の程知らずにもエラリー・クイーンを真似て「読者への挑戦」付きのミステリイを書きたい!と思い立ったからなのだが、案の定緻密で論理的なトリックなどまったく思いつかず、メイントリックが超能力という身も蓋もなくアンフェアな物語を書いてしまった。それを作者得意のハッタリと卑怯と詭弁でいかに本格推理風に仕上げるかが本作品のすべてであると言って過言ではない。
小説情報
サイキック(超・本格推理小説)
- 執筆状況
- 完結
- エピソード
- 41話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- ミステリー
- タグ
- 探偵, 推理, ミステリー, 超能力, エスパー, 読者への挑戦, 警察, 科学捜査, 連続殺人事件, サスペンス
- 総文字数
- 71,762文字
- 公開日
- 2020年08月19日 10:15
- 最終更新日
- 2020年08月30日 19:05
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