あらすじ）
　中学一年生の夏休みを迎えた“わたし”。いとこの宇佐見の家に遊びに行くと、中から若いが人相の悪い、怖そうな男が飛び出してきた。親戚の話では頻繁に警察の厄介になっている旧友の猿渡だという。いい印象を持たなかったが、後日、不審者に絡まれているところを、猿渡に助けられる。とはいえ怖い外見に気後れして、感謝を伝え損なう。それからまた日にちが経ち、夏休みの終わり頃に再度、宇佐見家を訪ねた“わたし”は、宇佐見が猿渡に詰め寄られている場面に遭遇。いとこが危ない！と、“わたし”は猿渡の頭を金属製筆箱で思い切り殴った。すると猿渡は……。