渇声
三十五歳の男性、桂木は神戸三宮のギャラリーに職を得る。そこで出会った美術品に造詣の深い女性社員、小野静湖に魅かれ関係を持つようになる。静湖の私的な絵画取引に手を貸した桂木は会社から損失の補償を求められる事態に陥るが、中国地方の実業家柴崎の援助により難を逃れる。その見返りとして新規事業の立ち上げを手伝う事を柴崎に求められた桂木は神戸を離れ岡山に向かう。山中の迎賓館「無言庵」の従業員となった桂木は、そこで脚の不自由な陶芸家の大原や台湾出身の書家である辛、性別を超えた舞人まりこ、医者の古庄、異人の楽師ペドロといった個性的な人物達と出会う。彼らはかつて岡山で秘密裏に開かれていた陶芸の粋を追及する儀式「酔陶の宴」の再現を目的として集まっていた。柴崎の忠実な部下、黒田の監視の下で生活する内に桂木の容姿は徐々に変化してゆくが抗う事も出来ないままに無言庵での月日は流れてゆく。やがて自分の肉体が儀式の再現に利用されようとしている事を桂木は悟るが、運命を受け入れながら「酔陶の宴」の時を迎える。周到な準備を基に陶芸の域を越えた儀式は進み、粋人たちは常軌を逸したクライマックスを迎える。
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小説情報
渇声
- 執筆状況
- 完結
- エピソード
- 10話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- 現代アクション
- タグ
- 【骨太小説】
- 総文字数
- 70,046文字
- 公開日
- 2020年05月13日 17:38
- 最終更新日
- 2020年05月16日 16:32
- ファンレター数
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