一般小説作品詳細

風のセレナーデーこんにちは人間界ー

2|ファンタジー|連載中|10話|121,795文字

美少女, 天の町と地の町, 相棒は羽をつけた猫, ストリートチャイルド, 精霊使い, 死刑囚の支配する町, 天の旅路, 魔法VS超能力, 魔法での戦い, 天上界と人間界

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 下位天上界、トーマスモアに悪戯好きのお転婆天使が住んでいた。名前をセレナーデ・バストゥールという。父親のヨハンセンと母親のジョアンナ、そして魂の双子でもあるパッツィー(猫に羽の生えた不思議な生き物)の四人で暮らしていた。彼女の一番の悩み事はこの名前にある。親がつけた名前なので気に入ってはいるのだが、通し名で呼ばれるといささか言いづらいのである。そこで両親や友人たちにお願いして名前を短く呼んでもらうことにした。略してセレ。
 十三歳の誕生日間近のある日。ヨハンセンから天の旅路を言い渡され、ショックを受けるセレ。天の旅路とは、天上界を旅立ち、異世界先で数年間、天使となるための見習い修業を積むことを指す。家を追い出され、一人自活を余儀なくされて落ち込む。そんなセレに助言を与えてくれたのが、彼女の精霊魔法の師のアルティシアであった。セレの十三歳の誕生日に天の旅路の志願者として、大聖賢天使、アグネスより祝辞を授かる。それともう一人ロゼッタという天使がいた。セレは人間界に、ロゼッタは上位天上界にそれぞれ見習い天使としての修業に赴く。旅たつ際、セレはアルティシアから三種の神器(正邪の剣、真実の鏡、魂の水晶球)を借り受ける。
 人間界にテレポートしたセレとパッツィーは、間の町で借りの住まいを見つけようとする。そこで茶髪の少女に声を掛けられ後をついて行くが、見知らぬ路地裏に誘い込まれ、ストリートチルドレンと呼ばれる浮浪児の集団に囲まれ身ぐるみ剥がされ無一文となる。途方に暮れた二人を救ってくれたのがセバスチャン・カスバートという男であった。彼の家には気難し屋の姉ヘルマーユがいたが、何とか一晩だけ泊めてもらうことに成功した。その家で、二人を騙した茶髪の少女こと、ブリジッタと鉢合わせとなる。彼女はセバスチャンの姪であった。盗みを働き、そのことをヘルマーユに咎められたブリジッタが家を飛び出すが、セレと教会の壊れた塔の上で仲直りをし、夜空をランデブーする。
 翌日、彼らの住まいがある地の町について行くセレとパッツィー。地の町は三十年前に起きた地殻の変動で天の町の一区画が陥没してできた町で、住民は貧しく暮らしていた。住民たちは自力では生活していくことができないため、僅かばかりの食料と引き替えに天の町から排出されるあるものを受け入れ、その処理を強要された。そのあるというものは、ゴミであった。ゴミ船と呼ばれる飛行船が地の町に一日二回ゴミを落としていく。家庭ごみ、事務ゴミ、怪しげなゴミ……。美しい盆地がゴミと悪臭で汚されていくのを目の当たりにしたセレは天の町の住民に怒りを覚える。
 ゴミ船の第二便が来船したが、いつになってもゴミ一つ降ってくる気配はない。不思議に思い空を見上げたセレとパッツィーのところに手足をバタつかせ落ちてくる者が目に飛び込んで来た。危ういところ、セレの精霊魔法によって男は救われる。男の名前はマレル・ディーンという。彼は何者かに襲われたように頭に大きな傷を負っていた。事情を問うものの、頑なに口を閉ざしてしまう。パッツィーの気転により、何とか男の素性を聞きだすことに成功する。マレルは天の町の住民で、現天長(天の町の市政長のこと)、メイナードのもとで情報管理の仕事をしていた。そこで知ってはならない彼とその一派の秘密を知ってしまう。
 セレの優しい心に絆され、ついに真相を語るマレル。メイナードと彼の家族および部下たちはなんと全員が元死刑囚であった。闇の組織の手引きにより脱獄、天の町を支配しようと目論む。彼らの悪行がマレルによって次々と暴き出されていく。それは、メイナードの指示によって、公金横領の濡れ衣を着せて、前天長ルドロフ・ドナヒュー一家を自殺に見せかけ惨殺、そして地の町の住民を殺りく兵器の試し撃ちと称して命を奪った惨劇へ続く。その犠牲者の中に、カスバート家の三人の家族も含まれていた。すべての真相を知ったセレとカスバート家の住人たちは、マレルを救おうと考え悩む。だが、相手は元死刑囚の札付きである。マレルが生きているとわかれば、どんな手段で報復に打って出るかわからない。そこで地の町の重鎮たちに相談を持ち掛けることになった。
 教会に集まった地の町の重鎮たち。長老のメイヨール、地長マコーレ、牧場主シュトラール、商工会長のメンドル、駐在のガレット、カラス神父そしてヘルマーユによってマレルの処遇に関しての運命の協議が開かれた。協議は相手が元死刑囚ということで、評決の行方はいつしかマレルを見捨てて事なきを得るという消極論にその天秤が傾き始めた。それに待ったをかけたのが、ヘルマーユの思いとカラス神父の一計であった。マレルを助けるには、メイナード一派が到着する前に、彼の葬儀を挙げて時間を稼ぎ、証拠の品を尽の町にいる連邦保安官に届けなくてならなかった。
 重鎮たちの意向は、地の町の住民に伝えられ、マレルの葬儀が盛大に執り行われることになった。もちろん偽装である。一方、尽の町の連邦保安官の元にはセレとパッツィーが赴くことになった。尽の町と天の町、地の町の境にはウランバードル山脈が長く連なっている。セレたちは風に乗って山脈を越えようとしたが、海から吹き寄せる潮風によって気流が乱され、山頂付近に落ちてしまう。そこで見すぼらしい姿をした福の神と出会う。天の町を追い出された彼から邪キューピットという悪しきものの存在を知る。福の神に食料を分け与え、別れた直後、山林で少女の姿をしたメイナードの部下ヘルボーイに襲われ、パッツィーが重傷を負う。セレも殺されそうになるが、福の神によって窮地を脱する。パッツィーの手当てを福の神に頼んだセレは単独で、尽の町の連邦保安局に向かう。辿り着いたセレは連保保安局のリーダーから七人目の脱獄死刑囚の存在を知り驚愕する。
 地の町でマレルの葬式が行われるところに、メイナードが一味と無頼漢を引き連れてくる。シュトラールに化けた部下のビックマウスによって、偽装の葬式とマレルの居所がばれてしまい、一気に地の町は緊迫感に包まれる。証拠の品の所在を聞きだすメイナードに沈黙で返す地の町の住民たち。それに業を煮やしたメイナードが子どもたちを人質に返答を迫る。人質の中からブリジッタが最初の犠牲者に選ばれる。それを庇うマレルにメイナードが銃口を向ける。だが、彼は仲間のビックマウスに刺殺され、マレルが邪悪な本性を露わにする。マレルはブリジッタを盾にとり、罪をメイナードらに被せ、地の町住民もろとも抹殺を計る。そこに一陣の風と共にセレと連邦保安官が姿を現す。悪だくみを粉砕されたマレルは、ついに邪キューピットとしての本性を現す。天の町上空で相まみえるセレと邪キューピット。死闘の末、正邪の剣の力でセレが勝利を収める。
 悪の根は断たれ、天の町にもそして地の町にも平和が訪れた。新天長によりゴミ船は撤廃され、地の住民は新たな生活を始める。カスバート家では元からの家業、玉子焼き屋を開店。セレも手伝いに精を出す。だがちょうどその頃、ヘラクレス山で異変が起こっていた。その山頂に邪キューピットの放った紅蓮の炎の矢が深々と突き刺さっていたのだ。

もくじ

登場人物紹介

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小説情報

風のセレナーデーこんにちは人間界ー

youmizuki

執筆状況
連載中
エピソード
10話
種類
一般小説
ジャンル
ファンタジー
タグ
美少女, 天の町と地の町, 相棒は羽をつけた猫, ストリートチャイルド, 精霊使い, 死刑囚の支配する町, 天の旅路, 魔法VS超能力, 魔法での戦い, 天上界と人間界
総文字数
121,795文字
公開日
2019年06月23日 09:20
最終更新日
2019年07月04日 19:12
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