NOVEL DAYS超短編コンテスト#7「ズーカラデル『生活』」結果発表!

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超短編コンテスト#7

「ズーカラデル『生活』」

結 果 発 表 !
 

受賞作

「せまい湯船で、ひとりだからさ」
(泰葉 ルカ 様)

ディテールが切なさを掻き立てます。なんということのない日常を面白く描く素晴らしい才能だと思いました。現代を舞台にした作品は数多くありますが、なかでも本作は2019年の”今”を描かれているように感じました。男女の機微とそのすれ違いを、会話を中心に書かれたのもうまく作用しています。完成度とセンスの良さに脱帽いたしました。受賞、おめでとうございます!

 

ズーカラデルメンバーからの講評

とっても楽しく拝読し、ウワーすごいー、と思いました。
加奈子のフェチというかうっすらとした変態性がとてもリアルで、キャラクターの生活を覗き見ているような感覚になり、終盤では加奈子の感情の動きに合わせてつい僕もグッとなってしまいました。
また、ズーカラデルの楽曲が作中でとても有効に働いていたのも嬉しかったです。
林拓人と離れたのは長い目で見れば良いことだと思うので、加奈子にはこれから幸せになってほしいです。
俺がいくら良い曲を書いても、林拓人の方がモテる。林拓人。素敵な作品をありがとうございました!

ズーカラデル 吉田崇展

 

全体講評

男性視点と女性視点、どちらの作品もあり非常に興味深く読ませていただきました。
みなさん、歌詞の意味だけではなく、曲のムードも含めて小説にされていて、予想よりも遥かにレベルの高いコンテストとなりました。
これだけの方が、同じ曲を聴き、異なる物語を生み出してくださったことに深く感動しました。
毎回そうですが、投稿者のみなさんの作家性が強く出たコンテストになったかと思います。どれを読んでもハズレなし、です。ぜひ受賞作以外の作品も「生活」を聴きながら読んでみてください!

 

また読みたい!

「清流」
「生活」を聴きながら読むと、こみあげてくるものがあります。楽曲とすこし距離をとって書かれた作品ですが、この音楽でしかありえない世界観になっていました。

 

「雨上がり」
楽曲を詩的にまっすぐ、小説にしていただきました。前後にもう少しエピソードがあってもよかったかもしれません!

 

「君は歳を取らない」
チャットノベルならではの読み味で、次章への引きも強いですね! またこういうテイストの作品を書いていただきたいです。

 

「音楽は生活のとなりに」
こうやって音楽は受け取られ、聴き継がれていくのですね。視点の移動も効果的で、とてもきれいにまとまった作品でした。

 

「ある革命家の話」
なんというオチ!! 驚きました。情報の出し方もうまく、ぐいぐい読めます。構造上、彼ら彼女らがどういう生き物かを説明できないため、やや画が思い浮かびにくいのが難点です。

 

「3か月の一人暮らし」
途中までは楽曲のトーンそのままに、後半は”その先”を描いた意欲作でした。着地もうまく決まっていました。

 

「ぬりえ」
シンプルで強い。感情と色彩をうまくリンクさせ、楽曲の雰囲気も取り込んだ素晴らしい秀作。

 

「初めまして。ズーカラデルの『生活』です。」
まさかの音源視点!! 楽しませていただきました。簡単そうに見えてなかなか難しいことに挑戦されたと思います。

 

「My Life~あなたに出会うまで~」
すごくいい作品でした。文体も落ち着いていて読みやすく、この読後感にむかってまっすぐに進まれたんだ、と筆者の意思が伝わります。

 

「いるか」
すごい! この文字数でここまで作り込めるとは。ミステリであり恋愛小説であり文学であり、魅力の多い作品です。

 

「そのとき、私は。」
うううむ。素晴らしい独創性。後半も「私」に変わるところも改行があったほうがよかったかも?

 

「夜の駅は水族館」
ミュージックビデオを見ているようでした。発想を飛ばして、ちゃんと元に戻ってきてくれるのが嬉しいです。

 

「道は続く」
うまい! 中尾がとても魅力的で、“私”もそれによって一気に魅力的に映りました。過去の具体的なエピソードがとても効いてます。

 

「雨の日のゼラニウム」
こうあってほしい、と読者が望む結末を、洒落たタイミングで鮮やかに提示してくださいました。読後感が素晴らしいです。

 

「雨の動物園」
とてもいいラストでした。もう少しだけ痛みを抱えて生きていく様子を暗示してもよかったかもしれません。

 

「ぺトリコール」
ディテールがとてもよかったです。着信があったときの心情描写をもう少し読めればさらに嬉しかったです!

 

「あのころ、君に恋してた」
切ない。シンプルな作品ですが、最後まで読ませる力量があり、楽しませていただきました。

 

「あなたはあなた 私は私」
壮大な発想、地に足のついた描写、現代風の会話文がみごとにマッチした作品でした!

 

「花とハサミ」
凄みのある作品でした。彼がどんな人生を送ってきたのか、興味を惹かれます。強くて濃い小説でした。是非また書いていただきたいです。

 

「カガミバナ」
筆者は何者……? 発想、展開、ラスト、文章、どれをとっても素晴らしいです。もっとどんどん読んでいきたいと思いました。「生活」をもう少しだけ思い起こさせていただければさらに良かったかも!

 

「誰も知らないトモコの奇跡」
猫の恩返し。心あたたまる名短編ーーというだけでなく、トモコとお父さんと会話が絶妙です。センスとバランス感覚が同居している書き手の方だと思いました。

 

「6月」
書かれた方に非常に興味があります。某ベストセラー作家の文体にとても似ていて、具体的かつ簡潔です。思いっきりエンタメを書かれたらどんなものに仕上がるのでしょうか。

 

ひとことメッセージ

 

「プリズーからの脱出」
超力作。やりきっていただきました!

 

「やさしい雨とか...」
前日譚が読みたいです。できれば後日譚も。

 

「歯科医せよ!」
ものすごい小説を書かれる予感がします。

 

「優しい嘘」
いい作品ですね。もう一歩テーマと合わせられていれば!

 

「雨と灰」
独創性あふれる物語と文章。

 

「ミッドナイト癒シアター」
この手がありましたか!

 

「生活」
あと1000文字読みたかったです!

 

「鈍色の日」
読み終わって、タイトルがとてもいいです!

 

「ライフ」
考えさせられる作品でした。

 

「髪を切ってきて」
髪だけでよくぞここまで。

 

「雨が息をひそめたら」
文章の説得力が◎でした!

 

「泥沼の沼子と刺青師」
つらい、つらすぎます。

 

「私に続く、あたしの生活」
ぐっときます。

 

「深海商店街」「帰れない夜と帰った朝」
この作品が歌詞のようでした。

 

「雨の遊園地」
「雨の動物園」に対する素敵な補助線でした。

 

「ことの途中に朝食を」
博美、すごいですね……。

 

「再び歩き出す君へ。」
着想が素晴らしいです。

 

「極夜」
文圧がすごい…!

 

「生活は続いていく~明日が見える街~」
書いてくださってありがとうございます。

 

「生活は続いて行く~葛藤の中で」
人生を肯定してくれる作品でした。

 

「割れた玉子と卵とおままごと」
生活は、続いていきますね。

 

「HEART」
なまなましさが素敵です。

 

「ハッピーバースデイ」
「誕生日」というお題だったら最高でした!

 

「『誰か』のいなくなった生活」
扇風機を使うところがいいですね。長編の第1章を読んだ気分です。

 

素晴らしい作品の数々ありがとうございました!

次回のコンテストでの再会を心よりお待ちしています!