NOVEL DAYS × tree 2000字書評コンテスト『不可逆少年』結果発表

  • ツイート
  • ツイート

NOVEL DAYS × tree

2000字書評コンテスト『不可逆少年』

結果発表!

 

受賞作

 

限りなく不可能に近い証明――『不可逆少年』書評

中川凌

対象作品に寄り添い、実況解説のように読者の視点から内容を丁寧に追った書評です。

これを読めば、『不可逆少年』という小説の読みどころ、面白いところが一目瞭然です。

分析型の書評ではありませんが、読者の等身大の分身として書かれていることで、いかにも書評といった堅苦しさを感じさせず、気軽に読めるのも本作の特徴です。

読者に対象作品を手に取らせる力という点で非常に魅力があると感じましたので、今回は本作を受賞作とさせていただきました。

 

 

全体講評

今回は、弁護士作家が少年法の問題に切り込む意欲作『不可逆少年』を対象とした書評を募集しました。

ちょうど社会的にも少年法についての議論が盛り上がる中、作品内容にふさわしい、骨太な書評が集まりました。

応募作品群を概観していて、作家を軸としたもの、作品を軸としたもの、そしてテーマを軸としたものと、同じ作品への書評でも切り口がさまざまで、それによって見えてくるものもまたさまざまなことに改めて気が付かされました。

それぞれの切り口から、面白いところや伝えたいことがしっかりと書かれた書評が集まりましたので、ぜひ読者のみなさんも、複数の書評を読み比べてみてください。


 

優秀作品

惜しくも受賞には至りませんでしたが、ぜひとも読んでほしい作品を紹介します。

 

大人のまなざし――『不可逆少年』
野地 嘉文

作家・五十嵐律人の二作目という観点と、作品内容の解説をバランス良く織り交ぜた書評です。『法廷遊戯』書評コンテスト受賞者の方だけに、書評としての完成度も作家理解もさすがのひとこと。

 

 

家裁調査官が向き合う「心の闇」:書評 五十嵐律人『不可逆少年』

mika

作品の中で扱われているテーマを現実世界で実際の例を引いて投射することで、『不可逆少年』という作品で五十嵐律人という作家が描こうとしている問題意識を、読者により深く理解させてくれます。読書体験をより意義の深いものにしてくれる書評でした。