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活動報告

『貘を飼う』、そろそろクライマックスです。

『貘を飼う』、思いがけずご好評いただき、ありがとうございます。驚き喜んでおります。
二幕三場、後半が、劇のかなめになります。お気づきかと思いますが、三場で登場してから、ます子さんは台詞らしい台詞をほとんどしゃべっていません。相づちを打ってるだけで、龍之介に言われっぱなしです(笑)。その彼女が、いまからやっと、龍之介の怒涛のしゃべりに返事をします。
もちろんもう書けているんですけど、本当にこれでいいのか、もう一度見直しているところです。
楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。^^

平松ます子は実在の人で、この帝国ホテル心中未遂事件も実際にあった事件です。
なんて、芥川ファンの方ならきっとご存知なんだと思いますが、私は知らなかったので、知ったときは驚きました。心中(未遂)と言えば太宰さんという、何か刷り込みがありまして(笑)。
この『貘を飼う』は9割くらいが、すでに書かれた言葉の引用と再構成で、例えば龍之介の長台詞も菊池寛の長台詞も彼らの本から採っていますし、冒頭の「遊びに来ている百間さんに龍ちゃん気づかない事件」は百間さんの小説から、「ジンジャーケーキ事件」は文さんの回想録から採っています。
残りの1割が私の、お蕎麦で言えば「つなぎ」の部分なんですが……
肝心の、ます子さんが何を考えて、何を話したかは、いっさい残っていないんです。
それをいいことに憶測で評論がいろいろ書かれていて、まあ言いたい放題書かれています。遺族の弟さんがます子さんの名誉回復を訴える本まで出しているくらいです。
私は、ます子さんはきっととても素敵な人だったと思うので、「つなぎ」の1割が全体をだいなしにしないよう、本当に気をつけて書きました。

この戯曲じたいもう10年前、芥川龍之介生誕120年の年に書いたものです。今年は130年なんですね。
じつはその時、執筆中、なんと夢枕に芥川先生が立たれました!
わたしほんとに霊感とか薄くて、金縛りにあったのは今のところあの一度だけです。
何を言われたかというと、
「龍ちゃん龍ちゃんと気安く呼ぶな」
とお叱りを受けました(笑)。
「ごめんなさい、でも貴方が大好きですのに、それに私のほうが年上ですのに」
とけんめいに謝りました(笑)。
今回ひさしぶりに龍ちゃん推しのときめきを思い出しました(笑)。貴公子のイメージがある文豪ですが、本当に当時も人気者で、「人たらし」だったことは間違いないと思います(笑)。
ます子さんに感情移入しすぎて「推しの龍さまと心中する私(ハアハア)」という単なる妄想にならないよう、ほんと気をつけてます(笑)。

2022年 07月06日 (水) 08:59|コメント(0)

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