mika (ID:mikafone)

作品数23
総合評価数1,327
総合PV数350,268

作者ブックマーク

活動報告

新連載「バイブル・フード・レシピ」

第3回聖書ラノベ新人賞参加として、「バイブル・フード・レシピ」を新しく公開しました。
女子高生たちが聖書を食べ物の文脈で読み解くお話です。
★第1話 プロローグ
★第2話 聖書の中の食べ物?
★第3話 急いでたから種なしパン

コンテストの目的に、「聖書を愛読する一般の読者(非信徒を含む)とともに、キリスト教に親しみながら学べるような新しい作品」と記載されていてですね。
ラノベ界で人気なのは異世界ファンタジーですよね。
異世界転生・転移、悪役令嬢・乙女ゲー転生、追放からのもう遅いなど、ジャンルの流行り廃りがありますけど、聖書を学べるなろう系小説って読んだことないです。

なろう系のテンプレ異世界宗教は、神殿や教皇が権力を持って汚職と腐敗をしがちで、現地の聖女は権力に翻弄され虐げられがちですよね。
それで、現代日本人の精神を持つ主人公(転生・転移・憑依)から見た現地宗教が「悪」や「敵」として描かれるのもテンプレ。
これらのテンプレ宗教描写が宗教改革前のカトリック教会をモデルとしているのは明らかです。
なろうテンプレと言えるほど宗教描写が共通しているのって、現代の教会のあり方や聖書のメッセージを知らないまま、「教会の腐敗によって宗教改革が起こった」という事実だけを世界史の教科書で教わるからなのかな、と思いました。

罪を犯した貴族令嬢が女子修道院に押し込められるのもなろう系テンプレですよね。
修道生活は自由のない不幸なもの、修道院は流刑地・徒刑地と同じものというイメージを持っているかたが多いのでしょう。
その一方で、女子修道会が運営する私立学校は日本にたくさんあり、お嬢様学校というイメージがあるのは不思議ですね。


とは言え、聖書ラノベコンテストの読者想定って、日頃からラノベに親しんでいる読者ではなく、専門紙であるキリスト新聞の読者なんですよね。
以前から連載中の「バイブル・スタディ・コーヒー」は初読者向けに書いていましたが、新連載の方は日頃から聖書に親しんでいるかたにも楽しんでいただけるよう、チャレンジしたいと思います!

第1章は、過越のパンを食べてみようというテーマです。
次回は聖書の五穀についてのトークをする予定で、まだパン作りの工程に到達しないかもです。
過越のパンは、最後の晩餐のパンでもあるので、第1章で早くもクライマックス!
コンテストの締切に間に合えば、エゼキエルのパンやアンテベラム時代のアメリカでよく作られていた聖書ケーキなども、取り上げたいなと思っています。

引きつづき、食べ物にまつわる聖書のムダ知識を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
スナック感覚で、暇つぶしに気楽に読んでいただければさいわいです。

2022年 09月10日 (土) 22:46|コメント(1)

まきえさん、こんばんは。こちらもお読みいただきありがとうございます!
そうですね、『平家物語』のような古典もありますし、腐敗した権威・権力を打破する物語って、いつの時代も好まれるのでしょう。
まきえさんの『聖書ラノベ新人賞2に受かる方法、教えます』を拝読して、「ひとつ! キリストをリスペクトすること!」と「神に対してマウントをとりたがる民族」の考察が、とても興味深かったです。
なろう系は作者も読者も若そうですが、作品を読んでみると、作者(とそれを好む読者)の宗教観がにじみ出ているなぁと思います。

チート無双主人公の場合、成り上がりの最終到達点は現地の神または神々を殺して、主人公が超越的存在(神)になることなんですよね。アニメ化や漫画化された複数の作品でそのようなストーリー展開を観測しました。
豊国神社や東照宮があるので、日本人にとっては力をつけた人間が神の座にあげられるのは不思議な事ではない、むしろ当然のことなんでしょう。
大昔からの日本人の宗教観を現在の若者も無意識に持ち合わせているのだなと分かって、ラノベというのは興味深いです。