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新作書評:五十嵐律人『原因において自由な物語』

「いじめの責任は誰にある?」と題して、五十嵐律人『原因において自由な物語』の書評を公開しました。
今月の2000字書評コンテストの課題図書です。

同著者の作品を読むのは、『不可逆少年』に続いて二作目です。
前作は家庭内暴力と少年犯罪、今作はいじめ自殺と、社会問題に果敢にアプローチする姿勢は、弁護士作家ならではだと思います。
読んでいて重く苦しいので、ライトノベルのように楽しめるわけではないですが、考えさせられる作品です。

作中に登場する顔面偏差値をつけるアプリ、なんて悪趣味だろう感じました。
本作のようなルッキズムに支配された社会、美醜イデオロギーの強制力が強い社会は、生きづらさしかないですね。
容姿のコンプレックスを描いた作品と言えば、女性が主人公の場合が多いイメージです。高校時代に、友人のすすめで安野モヨコの『脂肪と言う名の服を着て』を読んで、衝撃を受けたのを覚えています。
本作では、男性の視点で容姿のコンプレックスが書かれているので、珍しいなと思いました。やはり男性にも醜形恐怖で苦しむ人がいるのだろうな、と思わせられました。

2021年 09月30日 (木) 20:56|コメント(0)

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