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活動報告

おすすめ絵本『111本の木』

『有機交流電燈 アーカイブ』に絵本『111本の木』の紹介を追加しました。
インドの小さな村のSDGsの取り組みについて取材した本です。

今回の記事は、中学生~高校生を読者想定して書きました。
でもこの絵本、第68回読書感想文全国コンクールの小学校中学年の部の課題図書なんですよ。
小学3,4年生が読んだとき、児童婚撲滅という課題を理解してもらえるのか疑問です。
ユニセフでは、18歳未満での結婚または結婚に準ずる状態を児童婚と定義しています。

絵本のなかに「エコフェミニズム」という、成立背景が複雑でめちゃくちゃ説明が難しい言葉まで書いてあるので、びっくりしました。
エコフェミニズムという単語は、おとなでも知らないひとの方が多いと思います。
全国学校図書館協議会は、小学生でもじゅうぶん理解できると判断したから、課題図書に選定したんですよね。
読んだこどもたちの疑問にこたえられるよう、いっしょうけんめいエコフェミニズムについて解説しましたので、おやごさんやおねえさんおにいさんに役立ててもらえたら、さいわいです。


この絵本の作者リナ・シンさんはインドの出身です。
初期のエコフェミニズム運動として有名なチプコ運動は、インドが発祥の地。
1973年にウッタラカンド州で、女性たちが森林を伐採から守るための「チプコ運動」(木に抱きつき、命がけで伐採を阻止!)を始めました。非暴力による抗議戦術で、伐採者が伐採できないように木を占拠したのです。

ちなみに同じ70~80年代に、アメリカでは『モンキーレンチ・ギャング』という小説を模倣した直接的な抗議手法(森林伐採のブルドーザーを夜中に密かにモンキーレンチで破壊!)が流行ってですね。
ディープ・エコロジーを標榜する「アース・ファースト」とよばれるエコロジーグループは、本気でモンキーレンチングしていたのです。
(わたしは、「アース・ファースト」はディープ・エコロジーを曲解していると思っているので、ここで「標榜」と書きました。)

モンキーレンチ・ギャングたちと比べると、チプコ運動はなんて穏健なんでしょうか。

同じく初期のエコフェミニズム運動として有名なところでは、ケニアのグリーンベルト運動もあります。
1977年、ケニアではワンガリ・マータイ教授によって、グリーンベルト運動(砂漠化防止のための女性主導の農村植林プログラム)が始められました。
マータイさんのお名前は、ノーベル平和賞受賞のときに日本でも話題になりましたね。

2022年 08月18日 (木) 23:12|コメント(0)

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