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活動報告

イケメンという「条件」

 《髪はサラサラで目が二重で鼻筋が通っていて……と書くより、「イケメン」の四文字の方が「かっこいい男の子」だと容姿と性別が伝わります。》

 これは、もえぎ桃先生直伝のプロットを書くコツです。
 青い鳥文庫プロット大賞の案内ページに載っています。

 プロの作家さんから教えていただけるプロットの書き方は、どれも非常にためになりました。

 ただ、上の文章を見たときにわずかな違和感を覚えました。
 その違和感の正体は、プロット大賞の上位作品を読んだときに明らかになりました。

 「イケメン」という情報、本当にいるの? と。

 ある程度商業的な展開を意識しているなと思われるプロットには、必ず「イケメン」が登場します。
 男の子が複数登場するお話なら、その数だけ「イケメン」だと説明されます。

 正直な気持ちを言うと、ちょっと不気味なほどでした。

 反対に、主人公の女の子の容姿を描写しているものはあまり見られませんでした。
 この非対称性も気になります。(おそらく、「美人」とか書いちゃうと、主な読み手となる女子小中学生が自己投影しづらいからだろうとは思いますが。)

 今の児童文庫の挿絵は、どれもかわいいものばかりです。
 本文で「イケメン」と称されようが称されてなかろうが、よほどの理由がない限り整った顔に描かれます。

 それにも関わらず、男の子キャラクターの容姿の良し悪しをわざわざ表記する意味って、何なのでしょう。

 「※ただしイケメンに限る」みたいな古くさいインターネットのノリみたいで、反発的な気持ちになってしまいます。

 小中学生というものは、イケメンという「条件」を見てキャラクターを好きになるような単純な感性しか持っていないのでしょうか。
 そうではないと思っていますが、もしそうだとしたら、視野を広げられるような機会に恵まれてほしいなと思います。

 子どもたちの感性を育てる一番身近な行為は、本を読むことです。
 だからこそ、児童文庫は柔軟な価値観を提供する場所であるべきだと感じています。

2022年 08月13日 (土) 19:04|コメント(0)

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