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活動報告

【読んだ本】死者の救済史

・増補 死者の救済史 供養と憑依の宗教学(ちくま学芸文庫)

死者の無念に対して生者がしてあげられることは何か。
古代から現代までを貫くこの問いに対する答えの探究の模様を丹念に描いた著書。
特に神仏習合による死生観の変容を追う一章から三章では、「祀り上げる」べき恐ろしい霊が「調伏」すべき弱く哀れな霊へと変わっていく経緯が克明に描かれます。



拙作『使者と死者の迷宮〈アースフィアの戦記外伝〉』は、キリスト教の教義と文化をベースに構築した世界でありながら、その霊魂観は極めて日本的です。
もともと「Bloodborne(ダークファンタジーのゲーム作品)みたいな空気感の小説を書きたい」とか「日本的なゴーストハントものの流れを汲むものを書いてみたい」、さらには「それを既に世界観の確立されたアースフィアの戦記シリーズでやりたい」という色々な欲求があり、それらを統合するための重要なインスピレーションを与えてくれた本がこの「死者の救済史」でした。
ここで紹介することで、書店で手に取っていただける人がいたら嬉しいな。

拙作『使者と死者の迷宮』は連休明けの7月27日(月)から連載再開します。お盆の期間も更新する予定です。
お楽しみいただけましたら幸いです。

2020年 07月22日 (水) 20:52|コメント(0)

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