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活動報告

祈れる愚者のはなし

人は言う。

――神は全てをお許しになる。
――全てに救いをお与えになる。
――ゆえに、祈りましょう。
――神へのとりなしを聖母に願いましょう。

俺は何故祈る?
また罪を犯すためか?
しかも、より心安らかに罪を犯すためか?
どうせ許されるのだからと、俺は思っているのか?


(【死者の迷宮Ⅳ】めでたし聖寵充ち満てる)

 ■

『〈アースフィアの戦記外伝〉使者と死者の迷宮』4章〜8章までの公開を終えました。

有名なモーセの十戒に「みだりに神の名を唱えてはいけない」というものがあって、これがどういうことなのか以前はよくわからなかったのだけど、今では自分なりに考えて、「人を黙らせるために神を利用するな」という意味に解釈できるんじゃないかと思っています。

現代日本ではそうではないにしても、親が子に、教師が生徒に「神(=その文化の倫理・道徳の根底)がこう言っている」「神はこういうお方だ」「聖書に書いてある」と言えば、言われたほうは黙ってしまう。
そして言うほうはといえば、ただ神の言葉を安物にしているだけなのです。
これはきっと、時代と地域を問わずに当たり前に行われてきたこと。

思考停止を正当化するための道具としてしか使えないのなら、人にとって神とは何か。

書きながらそんなことを考えていました。

次の更新は本編『〈アースフィアの戦記〉月ニ憑カレタ歌語リ』となります。11月24日(火)から連載再開予定です。

それでは、また。

2020年 09月11日 (金) 20:12|コメント(0)

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