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活動報告

僧頭の鷲タイトル13~15話 曼荼羅とクラシックSFを暑苦しく語ります

こんにちは。
拙作「僧頭の鷲」3の倍数の回は、タイトル元ネタ解説(ネタばらしは後日)と雑記の活動報告付き。
今日のSFはちょっと暑苦しく語ります(笑)

 今回の「僧頭の鷲」15回には曼荼羅が出てきます。
 本文中にも書きましたが、曼荼羅とは仏とそれに類する神々を模式的に表した図で、日本には空海がもたらしたと言われています。いろいろな種類がありますが、有名なのが胎から悟りに慈悲が広がっていく様を描いた「胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)」と仏の知恵が周囲に波及していく様子を描いた「金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)」、この二つで一対になった両界曼荼羅(りょうかいまんだら)です。
 今回本編に出てくるのは「胎蔵界曼荼羅」で大日如来を中心に周囲を取り囲むように仏や眷属が配されています。(拙作ではすべて同じ正方形の枠と設定していますが、実際は大小があります)中には、梵字だけで表されている曼荼羅もあるようです。
 曼荼羅、ご興味があれば是非調べてみてください。ええ、この仏様の元ネタがこの方ですかってのが結構あります。

 私は小さい頃、仏教=ダサい、キリスト教=おしゃれと漠然と思っていましたが、長じて曼荼羅の展覧会に付き合わされて、なんて(美術的に)不思議な美しさがあるのだろうと心を打たれ、仏教のイメージが一新されました。絵は煩いくらい豪華絢爛なのですが、枠に詰め込まれた仏達はなぜだがストイックで整然。摩訶不思議な美しさを感じ、図録を買って一日眺めていたものです。最外院と名付けられた、いわゆる外枠には八部衆といわれる異形の神々や、胎蔵界曼荼羅の最外院の四隅にはなんとおなじみ黄道十二宮まで描かれているのです。(絵はだいぶん違いますが)はるか西洋文明から曼荼羅に載って日本に伝わっていたと思うと胸熱です。

 梵字も美しいですよね。これについても語りたかったのですが、長くなってしまったので今回はここまでとして、タイトル元ネタ行ってみよう~!

第13話 トータル・リコール:元ネタはあのシュワルツェネッガー主演のSF映画。その原作者の大ファンで、結構マイナーなものも買ってむさぼり読みました。この作者の独特なちょっと陰のある世界感が大好き、特に「火星のタイムスリップ」はお気に入りです。タイトルはベタですが、お疲れ気味の有能な主人公に心を奪われました,マイSFベスト5の中の一つです。でも元ネタ作品は映画の方が好きです。裏切り者のファンですみません。

第14話 アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス:今回は頭を振っても叩いてもタイトルが出てこなくて、ほとんど考えてないようなタイトルになって残念です。元ネタは「~へ花束を」という超有名SFですが精神的な器と知能、考えさせられる哀しい話です。

第15話:拷問者の影/ジーン・ウルフ:誰も元ネタ作品をわかってもらえないかも知れないですが、私の一押しSFです。是非読んでいただきたい、でも、今日検索したところではAmazonでは中古品しかない(大泣)。なぜ、なぜだっ! これは色あせない名作だと思うのに。拷問者組合に務める青年セヴェリアンは反逆者として捉えられた貴婦人に恋をしてしまい規定に反して彼女に速やかな死を許してしまう。そのため彼は追われて放浪の旅にでる。奇想天外なそして静謐な物語の中に張り巡らされた伏線とドラマ。名作です、本当に~~。なぜ、これが、これが……。SF界も温故知新を希望~~。

 クラシックSFも良いですよ~~~~。

2021年 02月11日 (木) 11:44|コメント(0)

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