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活動報告

僧頭の鷲16~18話 タイトル元ネタについて

 皆様、昨日の地震は大丈夫だったでしょうか。被害に遭われた方、怖い思いをされた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 大きな禍とか、戦争とか、社会が大きな不安に襲われたとき、私のようなコメディ書きはコメディを書いていいのかどうか悩みます。
 悲しい思いをしている人がいるのに、こんなふざけたのを出していいのかどうか。
 世間が平穏でありますように。「お笑い」が人の心を傷つけないような日常であるように、心から願っています。

 第16~18話元ネタ。

 第16話 ミクロの決死圏/脚本ハリー・クライナー/小説化アイザック・アシモフ:元ネタは映画をSF界の巨匠が文章化した作品です。私は小さい頃この映画の写真を見て本当に人間が小さくなって血管の中に入ることができるのかとびっくりした覚えがあります。先日初めてこの映画を見たのですが、作りは古いとはいえなかなか面白く鑑賞できました。やはりストーリーがしっかりしたSFは色あせないんだなあと再認識。あと、この話が頭に沸いたのはちょっと光瀬龍原作の「百億の昼と千億の夜」の萩尾望都(もう、好きすぎて信者です)マンガ版で、摩尼宝殿の地下に弥勒像があるところが元になっているかも知れません。こんなパズル話書くつもりはなかったのですが、このタイトルが頭に浮かんでしまい、急遽とってつけた話です。タイトル最優先(笑)

 第17話 カウント・ゼロ/ウィリアム・ギブスン:元ネタはサイバーパンクの旗手の「電脳空間三部作」のうちの一つです。サイバーパンクは読みにくくてちょっと苦手でしたが、その不思議な雰囲気に未来を感じたものです。電脳空間三部作の一つニューロマンサーに出てくる女侍「モリイ・ミリオンズ」がかっこよかったなあ。ちなみに「僧頭の鷲」の17話が短かったのは、第18話のタイトルを思いついてしまい、同じ場面を2つに分けたからです。タイトル最優先(笑)

 第18話 上弦の月を喰べる獅子/夢枕獏:夢枕獏さんは伝奇的な作品も好きですが、私はやっぱりこの作品が幻想的でロマンチックでそして求道的で一番好きです。仏教的な世界感で描かれる話なのですが、問いを投げかけていい加減に濁す作品も多い中(ぎくっ!)、この作品は「野に咲く花は幸せであろうか」という命題を、最後に真正面から答えているその潔さと説得力に涙がでるほど感動しました。私はアシュバインのパートが好きだったので、表裏一体である宮沢賢治がなぜ出てくるのかわからなかったのですが、先日この話を書くために仏教関係の本を読んでいると、宮沢賢治は親鸞聖人の歎異抄や法華経に深い興味を寄せ、彼の有名な詩「雨にも負けず」は大乗仏教の精神をあらわしているといった事が書いてありました。(私の理解では)ああ、だから宮沢賢治だったんだ、と今にして納得しました。電書化されてます、重厚なSF皆様是非~~。

 昔読んだ話をまた読み返すといろいろ発見があるものですね。
 これから「僧頭の鷲」はシリアスと、「作者は頭に虫がわいとんのかー」って突っ込みが入るであろう馬鹿展開を交互に繰り返して行きます。
 残すところ約1/3、馬鹿展開で皆様の気を悪くさせなければいいのですが……。

2021年 02月14日 (日) 14:15|コメント(2)

・社会が不安なときこそ、不二原さんの作品のような、前向きでサービス精神あふれるエンタメが必要なんです。私はそう確信しています。(私はいつも夢中で読んで、貴重な憩いの時間になっているので)

・『百億の昼と千億の夜』萩尾望都さま!私も信者です!!(また久し振りに読みたくなってきた~家のどこかにあるはず~)
このタイトル元ネタも楽しみの1つ。不二原さんの知識量にいつも驚愕。そして『タイトル最優先』ルール、ウケます(笑)
佐久田さんへ
 コメントありがとうございました。萩尾望都様、良いですよね~。ついついもう自分の文体に組み込まれていて、ポーの一族に出てくるオービンの「それでこそ本望だ」が文癖になってしまっています。(頭に絵が降ってくる~)他にも無意識のうちに使ってしまっているフレーズがあるかもしれません。タイトル最優先ルールのため、1話が長かったり短かったりしていますが(もうタイトルネタがない……)、今後ともよろしくお願いいたします。