作品数6
総合評価数34
総合PV数195,713

作者ブックマーク

活動報告

スズランAfter、完結しました

 こんばんは。というわけでスズランAfterの最終話「Return of Happiness」にて完結させました。こんなに長くするつもりは無かったのですが、割と最近までネタが次々に浮かんできていたので書きたいものは全部書こう精神を発揮した結果40章242部分794,764字に。投稿先のサイトによってはシリーズ全部を1作品としてまとめているのですが、そちらによるとシリーズ合計の文字数は1,938,845でした。長編をもう一つ書いてたら200万字到達でしたね。惜しい。
 ともかく、これで2年とちょっと続けたスズランシリーズは今度こそ本当に完結です。「おじさんは勝てない」「歩美ちゃんは勝ちたい」「人竜千季」で撒いた伏線も回収できましたので。「歩美ちゃん」の場合、伏線というか本当ならこっちの最終回を先にやるつもりだったんですが。予想より長くなりすぎて順序が逆に。「スズランAfter」をラストまで読んでから各作品にもう一度目を通していただくと、いくつかの場面では以前と違った印象になるかもしれません。歩美ちゃんで時雨と雫が大塚家を訪問した場面なんか「よくあの程度で済んだな……」と書いた自分が思いました。
 また、ネタが浮かばないのにまだ書きたいものがある気がするなんて理由で連載中のままにしておいた「息抜きの魔女」と「人竜選史」も次の作品に気持ちを切り替えるため完結済にしておきました。もし書きたくなった場合は新しい作品として投稿します。
 スズラン達も別の作品でひょっこり登場する可能性はあります。特に何も考えていませんが、設定上はどこに現れてもおかしくない子達なので。以前にも書いたと思いますが改めてご説明すると、僕の作品は全部が同じ世界観と設定で繋がっているのです。「女神vsスルーの達人」すらそうなのです。あの世界の神は「雨龍と同じタイプ」なんです。Afterを読んでくださった方には通じるはず。

 次の作品は2つを並行して書いて行きたいなと思っています。スズラン本編と同じで長編一本分を書き上げてから投稿という形式にするかと。ナンバリングしてバラバラに投稿する意味はあんまり無さそうなので作品ページはひとまとめにします。
 以下、あらすじ。


【ギミック(仮題)】
 三つの大陸が海の裂け目、炎の壁、止まない砂嵐によって交流を断たれ、それぞれ独自の文化と歴史を紡ぎ続ける世界。西のガナン大陸では北限の国カーネライズが兵にとって最も苦しいはずの冬に隣国への侵攻を始めるという事件が勃発。支配でなく他国の民の絶滅を願う狂帝ジニヤは一人の天才錬金術師に作らせた異形の獣群「トーイ」を戦線へ投入し大虐殺を行った。
 いくつもの国が徹底的に蹂躙され壊滅。わずかに生き残った民は救いを求め大陸中央の聖地に逃げ込む。そこは世界を創造した三柱の神オクノク、アルトル、テムガムを祀る三柱教の総本山であり女神アルトルの血を引く王が治める土地。そして千年前にも発生したトーイとの戦いにおいて神々が「天士」を遣わし人類を救済した伝説の舞台。
 無論兵士達は神になど祈らず、連合軍を結成。南下してきた怪物の群れとカーネライズ軍を迎え撃とうとする。しかし、やはりトーイの圧倒的な戦闘力の前に為す術無く蹴散らされ、聖地までもが絶体絶命の窮地に陥る。
 その時、都の西の丘に巨大な稲妻が落ちた。眩しさに瞼を閉じた人々が再び目を開くと、そこには白い甲冑を身に着けた金色の髪の戦士達の姿が。
 わずか数十名、されど一人一人が人間離れした膂力と奇跡の力を宿す超戦士。彼等は自らを「天士」と名乗り、瞬く間に数多のトーイを蹴散らしてカーネライズ軍を撤退に追い込む。
 一年後、天士の集団「天遣騎士団」は連合軍を率いて逆にカーネライズの帝都を包囲。敵戦力はすでに乏しく、民に戦意は無い。団長ブレイブは少数精鋭で突入して皇帝ジニヤを討ち、最小限の犠牲で戦争に終止符を打つ作戦を立案。
 ところがその直後、帝都の兵と民が全員トーイ化する謎の現象が発生。溢れ出した怪物群は制御を失って連合軍に襲いかかる。結局は数多の犠牲を出すことになりつつも騎士団の最精鋭と共に道を切り開き、ついに帝都へ突入するブレイブ。巨大な竜までもが襲いかかる中、副団長のアイズと二人、ジニヤの姿を捜す。
 すると頭上から死体が落ちて来た。それは皇帝ジニヤだった。見上げた先には燃え盛る炎の上に立つ二つの影。片方がもう片方を人間とは思えない力で引き裂いて殺害。落下してきた男の首を見たブレイブは、彼こそトーイを蘇らせた錬金術師イリアムだと断定する。
 戦争の首謀者二人を惨殺した謎の人影はそのまま炎に包まれて消えた。謎を残しながらも、天士達がトーイを殲滅したことにより戦争は終結。連合軍は勝利と平和の再来に歓喜する。
 しかし、いつまでも燃え続ける都を、何故か静かに見つめ続けるアイズ。天遣騎士団の中で唯一の女。しかも他の甲冑が白い中、一人だけ漆黒の鎧。髪も黒髪。全てが天士の本来あるべき姿から逸脱した異質な存在。神の力を宿す瞳が無感情に一国の死を眺める様を見て、ブレイブは言いようのない不安を覚えた。


【ワールド・スイーパー】
 遠い昔、巨大な赤い隕石が落ちた惑星。その隕石を砕き、人類を絶滅の危機から救った不老の英雄アイム・ユニティ。子供のような姿のまま流浪と気まぐれな救済を続ける彼に対し、旧知の仲である大国の王が依頼した。
「怪塵を操る者がいるらしい。捕えてくれぬか。そなたの判断次第で始末してくれても構わん」
 怪塵とはアイムの砕いた隕石の欠片。砂よりも細かくなって拡散し、今や世界のどこにでもある。人が吸い込んでも害は無い。だが獣や虫が一定量を吸い込むと正気を失い凶暴化する。風や波、なんらかの理由で一ヵ所に大量の怪塵が集まるとそれそのものが怪物となり、一体で一国を滅ぼしてしまうこともある。そんな危険物を操る人間など聞いたことも無い。
 しかし人間離れした嗅覚と長年の旅で得た知恵、それからコネを使い、あっさり問題の「怪塵使い」を見つけ出すアイム。ところが人気の無い森の奥で獣に襲われ、怪塵を操り盾を作っておきながら情けなくも泣きべそをかいて助けを求めるそれは、まだ十代の尼僧だった。
 少女、ニャーン・アクラタカが善良だと知ったアイムは一つの可能性に気付き、提案する。
「おい、ワシと共にこの星の大掃除をせんか?」
 怪塵は砕こうが潰そうが消えない。燃やそうが溶かそうが無くならない。無敵の守護者である彼にもこれを除去する術は無い。しかし周囲の怪塵を集められるニャーンを使えば効率的に集積することは可能。あるいは完全に消し去る方法も見つかるかもしれない。
「お前の力はそのために与えられたものかもしれん。まあ、この星を滅ぼす側かもしれんがの」
「ああっ、神よ。この不信心者アイム・ユニティと行く私をお許しください」
 見た目は子供、頭脳は老人、力は最強。
 見た目は子供、頭脳も子供、力は未知。
 これは、彼等デコボココンビが世界から赤い塵を一掃するまでの物語。


 ──と、こんなのを書くつもりです。前者はだいぶ昔に公募に出した作品で、いつかリベンジしようと決めていました。後者は去年唐突に思いついたネタで勢いのまま短編を一本書いています。その続き。現状はカクヨムにしか掲載していない作品なので、他のサイトではまずその短編を第一話として投稿する予定。カクヨムでも一旦完結済にしてしまいましたが、連載中に戻して続きが書き上がり次第に掲載していきます。
 両作品とも結末だけは決まっており、長さは多分「人竜千季」以上「スズラン」以下という感じになるかと。いつ投稿できるかはわかりませんが、また頑張ります。


 今回はこのあたりで。スズランシリーズに2年間お付き合いいただき、ありがとうございました。コメントやスタンプ、時にはレビューまでいただけたおかげでかなり励まされました。今後も新しい作品で楽しんでいただけるように努力していきます。
 それでは、また。

2022年 08月15日 (月) 02:53|コメント(0)

コメントはありません